小林キャプテンとのSpecial動画Vol.3 ・「命を引き受ける覚悟」元JAL機長に学ぶ保育現場の安全管理
保育現場で働く皆さん、日々子どもたちの安全を守るために本当にお疲れ様です。
今日は、私たちが普段当たり前に行っている安全管理について、少し立ち止まって考えてみたいと思います。
たとえば、午睡時のブレスチェックの場面を想像してみてください。
うつぶせ寝を防ぐよう細心の注意を心がけている保育者がいる一方で、こんな声が聞こえてくることがあります。
「ようやく寝たのに…ひっくり返すと起きちゃうから」
「大丈夫でしょう」
「いつも、何もないし」
そんな風に、なぁなぁにしてしまう場面に立ち会うことがありました。声をかけると、言われた時は「はいはい」と対応を変えてくれます。でも、できれば根本的な意識から変わってもらいたい…。
とはいえ、この温度差、どう向き合っていけばいいのでしょうか?
Contents
航空業界から学ぶ「命を預かる現場」の意識
今回、元JAL機長であり、危機管理の専門家として知られる小林宏之氏をお迎えした全4回シリーズの第3弾として、「人間理解を通じた支援と改善」をテーマにお話を聞かせていただきました。
航空業界と保育現場。一見全く違う世界のように思えますが、どちらも”命を預かる現場”という共通点があります。
4回シリーズ全体のテーマ
- 安心・安全を土台とした判断と行動
- 柔軟性と自立性を育てる環境づくり
- 「人間理解」を通じた支援と改善
- 小さな兆しに目を向ける文化づくり
今回は3回目ということで「人間理解を通じた支援と改善」について、深く学ぶ機会となりました。
「命を引き受ける覚悟」という言葉
今回の講話で最も印象的だったのは、「命を引き受ける覚悟」という言葉でした。
どんな条件であっても、愚直に謙虚に向き合っていく自立した心が、安全と共に私たち自身の幸福度にもつながっていく…そんな深い学びの時間となりました。
動画の詳細タイムライン
動画はこちら: https://youtu.be/1EoxbMsvTQI
00:23 人間理解を通じた支援と改善
01:00 ブレスチェック!?
03:23 何が一番大切か?優先することは?
03:46 大切なものは、子どもたちの命
04:00 観察‐‐‐意思決定の前にある状況認識
04:42 観察は情報収集ではなく、ありのままの事実を
06:00 毎回違う仕事~経験はかえって邪魔になる!?
07:31 80%以上の事故は、確認ミス
08:31 愚直に繰り返していく 謙虚さと自律心
09:58 原因ではなく、条件。どんな条件であっても子どもの命を守る。
10:12 何があっても命を引き受けていくこと
10:55 自立心があるものは、幸福度が高い
12:11 新人・中堅・ベテラン…謙虚心で大切なのは…中堅の謙虚心
12:58 子どもから…教わる側から教えられる
学びのポイント
1. 観察の重要性
「観察は情報収集ではなく、ありのままの事実を見ること」
私たちは日々子どもたちを「見て」いますが、本当に「観察」できているでしょうか。先入観や慣れに惑わされず、その瞬間の事実をそのまま受け取ることの大切さを学びました。
2. 経験が邪魔になることもある
「毎回違う仕事〜経験はかえって邪魔になる!?」
ベテランになればなるほど、「いつものパターン」で判断してしまいがちです。でも、目の前の子どもは昨日と同じ子どもではありません。毎回新鮮な気持ちで向き合うことが大切だということを教えられました。
3. 80%以上の事故は確認ミス
この数字は衝撃的でした。技術的な問題ではなく、基本的な確認を怠ったことによる事故がほとんどだということです。
4. 愚直に繰り返すことの価値
「愚直に繰り返していく 謙虚さと自律心」
毎日同じことを繰り返すのは退屈に感じるかもしれません。でも、その愚直な繰り返しこそが、子どもたちの命を守る基盤となるのです。
5. 中堅の謙虚心の重要性
新人は自然と謙虚です。ベテランは経験に基づいた謙虚さを持っています。しかし、最も気をつけたいのは中堅の時期。慣れてきた頃こそ、謙虚な心を忘れずにいることが大切だと学びました。
「条件」として捉える視点
特に印象深かったのは、「原因ではなく、条件」という考え方でした。
事故が起きた時、私たちは「誰のせい」「何が悪かった」と原因を探しがちです。でも大切なのは、「どんな条件であっても子どもの命を守る」という姿勢なのです。
動画で詳しく学んでみませんか
今回の内容についてはぜひ動画をご覧ください。
小林宏之氏の豊富な経験に基づいたお話は、保育現場で働く私たちにとって、とても実践的で心に響く内容となっています。
さらに深く学びたい方へ
このような安全管理について体系的に学びたい方には、「子ども安全検定」もおすすめです。
▼ 詳細・Q&Aなども掲載されています。
https://kodomoanzenkentei.com/?fbclid=IwY2xjawM
まとめ
今回の学びを通じて改めて感じたのは、安全管理は技術の問題ではなく、心の問題だということです。
「命を引き受ける覚悟」を持って、愚直に、謙虚に、毎日の保育に向き合っていく。そんな私たち一人ひとりの意識の積み重ねが、子どもたちの安全を守り、そして私たち自身の幸福にもつながっていくのだと思います。
明日からの保育で、少しでも今日の学びを活かしていただければ幸いです。