先輩のやり方にモヤモヤを感じた時にできること
こんにちは保育コミュニケーション協会、講師の上野里江です。
保育士になって2年目、2歳児クラスを担当していた時のお話をしたいと思います。
イヤイヤ期真っ只中の子どもたち。
泣きながら自分の気持ちをぶつける子どもの姿に振り回されつつも
「可愛いなぁ~」と思う日々を過ごしていました。
でも、先輩の関わり方は違っていました。
「やだー!」と泣く子には「じゃぁ、そこにいなさい!」と一人にしたり、
午睡をしないでふざけている子には布団をかけて無理やり?トントンしたり…
その様子を見ていると私の中でモヤモヤが湧いてきました。
「怒ったり強制したりしてまで、言うことを聞かせないといけないの?」
「子どもが可哀そう…」
でもそんなことを先輩には言えませんでした。
先輩は、職員間ではとても面倒見がよく私も可愛がってもらっていたのですが、
子どもに対してはなぜか厳しかったのです。
私は、モヤモヤ悩みながらも思ったことは言えず、
先輩の様子を黙って見ているしかありませんでした。
でも、モヤモヤしながら見ていると先輩の印象が少しずつ変化してきたのです。
先輩は強い口調で子どもに当たるので、
子どもたちは反発してさらに大泣きすることもありました。
もしかして先輩は、子どもが自分の思い通りに動かないと気が済まないのかも??
と感じるようになったのです。
強制しても反発するのなら、ヤダヤダ言いたい子どもの気持ちを
とりあえずとくみ取ってみよう!と思った私。
「そうだね」「嫌だよね」と声がけするように意識してみると、
子どもたちは少しずつ大泣きすることが減ってきました。
そして、子どもたちの気持ちの切り替えが早くなり、
先輩が怒りたくなる場面も減っていったように思います。
先輩のやり方に子どもが可哀そうと思っても、
先輩を変えることは出来ない…
でも、子どもの気持ちを受けとめることで、
子どもたちが落ち着いてきて、大人がイライラすることは減っていく…ということを学びました。
思い起こすと、子どもたちが成長したのだと思うのですが…
先輩との関係が悪くならずに、クラスの保育が穏やかになっていったのでした。
先輩のやり方にモヤモヤすると、子どもたちより
先輩に意識が向いてしまうこともあるかもしれません。
でも、一番大切なのは、
「子どもたちにとってどんな毎日だったらいいか?」ということ。
あなたが、子どもたちのためにできることは何か?を見つけることから始めてみませんか?
そんな、保育中の違和感を見つめ直すコミュニケーション講座を2月17日に開催予定です。
この講座では、そんなあなたの「他の園ではどうしているの?」「このやり方はどうなの?」といった
なかなか言えない、聞けないモヤモヤを一緒に紐解きながら、
子どもたちにとって本当に大切なことを自分から始めるヒントをお届けします。
〈こんな方へお勧めの講座です〉
・食事は残さず全部食べる、という指導に子どもが辛そうに見える。
・午睡時に、眠くない子を寝かしつけることに疑問を感じている。
・他の園ではどうやっているのか?様子を聞きたい。
・色々な違和感を現場でどうやって伝えたらいいのか、知りたい。
〈プログラム〉
1.今ある当たり前を見直してみよう…食事の場面・午睡の場面
2.子どもにとってよりよい保育とは?
3.違和感について話せる関係を作るには?
・子どもにとってどうなんだろう?という視点
・当たり前の背景にあるものを想像する
・違和感=おかしい!ではなく、質問しよう
4.違和感と向き合うことは、子どもの姿を見つめること
5.まとめ