保護者の本当のニーズとは?
気持ちにムラがあったり、どこに気に障るポイントがあるのかわからず手探りなど
「難しい」と感じる保護者と向き合うと、
つい身構えてしまったり…。
何度伝えても、伝わらない…
言い返されてしまう、流されてしまう…でも心配、という
「気になる」保護者が、周りにいらっしゃるかもしれません。
そんな時、つい「自分には何もできない」と無力感から
あきらめモードに入ってしまうことがありますが、視点を変えて
「困っている保護者」ととらえてみませんか?
私たち保育者の常識は、
たくさんの学びを経て、発達や成長を理解した上で
子どもたちの個性や課題を踏まえてかかわりを選択している専門家の専門知識領域です。
もしかすると、保護者は その前提が見えず、
同じようにやってもうまくいかない毎日の中で困り感を募らせているのかもしれません。
様々な視点から検証をしてみましょう。
保護者の本当のニーズに思いを馳せる
日頃の何気ない挨拶や雑談を通じて
土台となる関係性を育むことの延長線上に、
表面的なやり取りの奥にある“相手の本当のニーズ”に耳を傾けてみませんか?
*ニーズとは
相手が本当に求めていること・必要としていること
一見不本意なことを言われたり
はねつけられるような態度を取られるとショックですし、傷つきますよね。
「自分のことが、嫌なのかな。」「嫌われているのかな」「話しかけない方がいいのかな…。」と。
いえいえ、もしかすると…そんなときの保護者は 相手のことを思うほどには余裕がなく
どうしていいのかわからない行動の表れが、
そのような態度になってしまっているのかもしれません。
表面的な出来事に翻弄されるのではなく
「心の奥のニーズを捉え、受け止めながら協力体制を築く」ことをしてみませんか?
さて、子育ての中でのニーズに思いを馳せてみると、
どのようなことが見えてくるでしょうかーーー?
保護者のニーズ例
・伝えたこと・連絡帳・発言・行動などについて細かく質問
~もしかすると、不安を解消したい気持ちが強いのかもしれません。
・保育の様子をチェックする
~もしかして、信頼されていない…⁉とドキッとするところですが、
じつは、子育ての知恵を必要としているのかもしれません。
・知識で防衛する
~ 子どもに関する知恵・情報を切実に求めており、自分で調べる中で出会った知識かもしれません。
お子さんにカスタマイズした情報や視点は、園の方がたくさん持っています。
ぜひ、「困り感」をキャッチしたら、できることや考え方などを共有していただけたらと思います。
・朝は忙しそうなので、帰りの時間に話しかけると、嫌そうにされる
~子どものペースに振り回されて予定通りにいかないことへの葛藤を感じている・
これから帰宅した後の家事工程を思い浮かべ、ピリピリしているのかも…
・忙しい、時間がないとイライラしている
~子育てと仕事…やってもやっても追いつかない、心のゆとりが欲しいと感じている
・不安・渇望感・焦りを感じている
~このままの自分でいいのだろうか、理想の親になかなかなれない不安・
先の見えない子育てに不安を感じており、「十分よくやっている」と誰かに承認してほしい
親御さんが子育てて認めてほしいと願っているのは、
実は保育者や子育てに寄り添う人からの目線なのではないでしょうか。
・責められているように感じている
~思いを受け止めて欲しい
・嘘をついて預ける
~子どもと距離を置きたい・解放されたい
…などなど、あるかもしれません。
言葉で出てきたことは、ニーズではない?
一方で、以前 このように考えてみてくださいね。
「平日の保育参加だと、土曜休みの父親が参加できない。
土曜日に保育参加をできるようにしてほしい」
~という言葉をいただいた園さんより、
「土曜日はやっと出勤して交代勤務が成り立っているので、
土曜日の保育参加というニーズには、答えられない」
…というお話がありました。
これは、ニーズではなくリクエストですね。
(リクエストは、別のブログでご紹介します)
この場合…背景を考えてみた時に
・お父さんが かかわりたくてもなかなかかかわることができない
・お父さんがあまり子育てに興味関心がなく、何とか接点を増やして
パパスイッチをONにしてほしい…
~など、考えられるかもしれません。
そうすると、ニーズは「お父さんと子ども・保育との接点を増やしたい」ということになるのかもしれません。
園行事などで、設定が可能なところで
機会を作る工夫をすることもできるのではないでしょうか。
あなたの身近な保護者のニーズとは?
上記で上げさせていただいたのは、ほんの一例です。
もしかすると、あなたの身近な保護者には、
また別のニーズがあるかもしれません。
さて、どのようなニーズをお持ちなのでしょうかーーー?
とはいえ、ニーズには必ず応えなくてはならないのか…というと、
そうではありません。
短期的には「いい顔」をしたとしても、
後々それがトラブルにつながることもあります。
長い目で見て、親御さんやご家族の役に立てること・力になれることは何だろうか…?
保育施設以外でも、社会資源や関係機関とのつながりによって
できそうな工夫はないだろうか…?
~そんな風に考えてみるのも、一つだと思います。
保護者とのコミュニケーション研修にて一緒に考えてみませんか?
本当のニーズに、園として長い目で見て
具体的な事例をご紹介させていただきますね。
是非、お役立て下さい。
<内容>
1.私たちの育った環境とは
2.子育て支援の今
3.ニーズを読み解く
4.リクエストとして受け止める
5.気持ちに寄り添う添うコミュニケーション
6.相手が受け取りやすい伝え方
【日 時】2023 年9月3 日 (日) 10:00~12:00
【場 所】ご自宅からオンラインツール:ZOOMにて
【アクセス】お申込みの方にお知らせいたします。
<料金>
一般:3900円 (税込:4290円)
無料Line会員・ご紹介:3800円 (税込:4180円)
オンラインサロン会員:3700円 (税込:4070円)
<講師:松原美里>
保育園・児童養護施設にて保育に携わる中で子どもを支える大人のサポートの必要性を感じ、コーチングを学ぶ。米国認定コーアクティブコーチ資格取得。現在は認定こども園エクレス(保育園) 施設長を経て、参加者の声から創るプログラムにて、コーチング講座・研修講師として保育士向け新人継続支援研修・中堅育成研修・保護者支援研修・マネンジメント研修・リーダーシップ研修・子育て支援研修・「ほいくあっぷ 保育者お悩み相談室」監修等を行っている。保育コミュニケーション協会にて、保育者の日常を支えるオンラインサロンや研修を主催。Youtube「うめちゃんねる」にて発信中。
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