相手の言葉の奥にある「想い」~保育現場でのコミュニケーションを見つめ直す~

こんにちは。保育コミュニケーション協会、認定ファシリテーター講師の宮嶋です。
9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続いていますね。夏の疲れが溜まってくる時期かと思いますが、皆さん体調はいかがですか?どうか無理をしすぎず、お体を大切にお過ごしくださいね。

日々の保育の振り返りや会議を通して、それぞれの先生たちが何を大切にしているのか、同僚に対してどんな風になってほしいと願っているのか、そんなことが少しずつ見えてきているのではないでしょうか。

ただ、そうしたやりとりの中で、先輩や同僚、後輩から言われたことに対して「プレッシャーを感じるな…」「なんだか負担だな…」と感じてしまった経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

4年前の忘れられない経験

以前の私のエピソードから1つご紹介いたします。

保育士になって4年目、4歳児クラスを担当していた時のことです。
ある保護者の方から、お子さんを通じて園での様子を聞かれた時に、お友達の行動や担任である私の対応について納得がいかず、お怒りの電話をいただいたことがありました。

お電話では、真摯にお話を聞かせていただき、精一杯対応したつもりでした。でも、保護者の方の不満や怒りの気持ちが収まることはなく、後日、園まで来ていただいて、直接じっくりとお話を聞かせていただくことになったのです。

一人で対応することへの不安

私はその当時、保護者の方と一対一で対応した経験がほとんどありませんでした。相手の方が”怒っている”ということばかりに意識が向いてしまって、一人でお話を聞くことに大きな怖さを感じていました。

「どうしよう…」と悩んだ私は、先輩に相談しました。

すると先輩からは、「私たちも通ってきた道だから」という言葉が返ってきただけでした。
その時の私は、”どう対応したらいいんだろう”という不安と緊張で頭がいっぱいでした。先輩の言葉を聞いて、ますます心配になってしまったのです。

結局、上司の方に相談したところ、話し合いの場に同席していただけることになりました。間に入ってくださったおかげで、保護者の方の不満や怒りの気持ちも次第にほぐれていき、最終的には良い形で解決することができました。

先輩の本当の気持ちに気づけていたら…

この出来事を今振り返ってみると、私は先輩に助けてほしかった、間に入ってもらいたかったのです。でも、それが叶わなかったことで、不安な気持ちでいっぱいになってしまいました。

その当時は、”どうしよう”という思いしか頭になくて、先輩がどんな願いを込めて私にあの言葉をかけてくださったのか、本当の思いに気づくことができずにいたんです。

でも今思うと、もしかしたら先輩は、「話し合いに立ち会うこともできるけれど、保護者の方の様子を聞いていると、あなたなら一人でも対応できると思うよ」「大丈夫、自信を持って」という願いを込めてくださっていたのかもしれません。

もしそのことが当時の私に分かっていたら、「保護者の方と一対一で話をしてみます。もし対応に困ったら、間に入っていただけませんか?」と先輩にお伝えし対応することができて、お互いの関係性がもっと深まっていたのではないかと思います。

言葉の奥にある「想い」に気づくということ

皆さんも、職場の方から言われたことに対して、プレッシャーを感じてしまったり、ちょっと負担に感じたりしたことはありませんか?

時には、「少し言葉がきついな…」と感じることもあるかもしれません。でも、そこにはその方なりの願いや思いが込められているのではないでしょうか。それに気づくことができたら、自分自身の受け止め方や、その後の対応、そして職場の人との関係性も変わってくることでしょう。

保育現場は、とても忙しい環境です。限られた時間の中で、子どもたちの安全を守りながら、質の高い保育を提供していかなければなりません。

そんな中で、お互いの「本当の想い」を丁寧に伝え合う時間を取ることは、なかなか難しいものです。
また、私たち保育者は、子どもたちの気持ちに寄り添うことは得意でも、大人同士のコミュニケーションについては、実は体系的に学ぶ機会が少なかったのではないでしょうか。

同僚から厳しいことを言われた時、それを単なる「批判」として受け取るのではなく、「何かしらの願いやリクエスト」として捉え直してみる…。

そんな視点を持てるようになると、職場での人間関係が大きく変わってくるかもしれません。相手の言葉に対する自分の感じ方も変わってきますし、建設的な対話のきっかけにもなるのではないでしょうか。

相手からいただいた言葉を、批判や攻撃としてではなく、願いやリクエストとして受け取る。そして、そこから信頼関係を築いていく。

そのためのヒントを学べる講座が、保育コミュニケーション協会が開催する「人間関係の良い職場の工夫」です。

こんな変化が期待できます

  • 先輩や同僚からの言葉に、必要以上に落ち込まなくなる
  • 相手の立場や気持ちを理解しやすくなる
  • 職場での会話が、より建設的になる
  • お互いを信頼し合えるチーム作りができるようになる
  • 結果として、子どもたちにもより良い保育環境を提供できる

開催概要

<日程>

  • 2025年9月21日(日) 10:00~12:00(岩本香講師)
  • 2025年9月30日(木) 20:00~22:00(宮嶋順子講師)

<受講方法> オンライン(ZOOM)

<参加費>

  • 一般参加:4,290円(税込)
  • 公式LINE会員・紹介参加:4,180円(税込)
  • オンラインサロン会員:4,070円(税込)
  • 法人(3名以上):11,000円(税込)

「想い」に気づける関係性を目指して

相手の思いが見えてくると、自分の受け止め方がどう変わっていくのか、そしてどんな関係性を築いていきたいのか…。

そんなことを、参加者の皆さんと一緒に考えてみませんか?
きっと、明日からの職場での人間関係が、より豊かで温かいものになっていくと思います。

詳しい内容とお申し込みはこちらから
https://hoiku-communication.com/schedule/kodomo_mannaka_hoiku2025/

<ファシリテーター講師>

宮嶋 順子

川崎市、新潟県内の公立保育園・幼稚園で働く中で、
教育委員会の事務の仕事にも携わり、
人との繋がり、コミュニケーションの大切さを感じる。

以降、クラス担任の他に、フリー保育担当として各クラスのサポートや
一時保育や要配慮児の保育に取り組みながら、
子どもや保護者に寄り添う仕事に携わっている。

 


岩本 香

公立園で30年間で保育職、教育委員会、子育て支援センターに勤務。
社会教育主事を取得。生涯学習講座を担当し、
子どもから高齢者の方が生きいきと楽しく学習できるよう
講座内容を6年間で100講座、計画・運営し好評を得る。

コーチングを通じて、みんなの支えになりたい!!と考え、
現在は保護者支援や後輩の育成を行い、心に寄り添える保育者を目指している。

 

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