保育現場での人間関係を見つめ直してみませんか? ~コミュニケーションで変わる職場の風景~
新年度が始まり、早いもので半年が経とうとしています。まだまだ厳しい暑さが続いていますが、毎日の保育、本当にお疲れ様です。
この時期は運動会や発表会など、大きな行事の準備に追われている園も多いのではないでしょうか。子どもたちの様子を見ながら「どんな保育をしていこう?」「どんな配慮が必要かな?」と、職員の皆さんで話し合うことも増えていると思います。
きっと皆さんも、職場の先生方と良い関係を築こうと、「挨拶は元気よくしよう」「もっとコミュニケーションを取ろう」など、それぞれに目標を持ちながら日々過ごしてきたのではないでしょうか。
でも中には、「自分なりに頑張っているつもりなんだけど、なかなかうまくいかない…」「ちょっとした行き違いで、ギクシャクしてしまった」そんな風に、同僚との関係づくりに悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
Contents
私の新人時代経験談から
以前の私のエピソードから1つご紹介いたします。大学を卒業し、憧れの保育士になった1年目の出来事です。
もともと人見知りで、近所の人にも自分から挨拶するのが苦手だった私は、職場でも先生たちに、自分から声をかけることができませんでした。
「子どもたちのために、どんな保育をしたらいいんだろう?」
「こんな時、どう対応したらいいの?」
と迷うことがあっても、なかなか質問できずに行き当たりばったりの対応しかできませんでした。保育の記録も、前年度の週案を見ながら書いていましたが、なぜそう書いてあるのか、どんな意味があるのかよく分からないまま、似たように書いていただけでした。
それでも、クラスの先生や同学年の先生たちがとても優しく接してくださって、最初はガチガチに緊張していた私も、だんだん安心できるようになっていました。
そして秋になった頃、職場の先生から研修のお誘いをいただいたのですが、内容がとても興味深くて、「ぜひ参加したい!」と思いました。ところが、先輩保育士がお休みしたい日と研修日が同じであることがわかり、どうしたらいいのか…、といった重い空気が職場に流れ、その状況はしばらく続きました。
「どんな風に話しかけたらいいんだろう?」
「でも、私はどうしても研修に行きたい」
「きっと何とかなるよね…」
そんな風に思いながらも、自分から働きかけることができず、結局自分からは何も言えずにいました。
数日経ったある日、別の先生が先輩に声をかけてくださって、私が研修に行けることになりました。でもそのために、先輩は大切な予定をキャンセルして、出勤することになってしまったんです。
先輩はもしかしたら、私が何も相談してこないことに対して、いろんな思いを抱えていたのかもしれません。
それからというもの、その先輩と言葉を交わすことがほとんどなくなりました。先輩の顔を見るたびに「申し訳ないことをしてしまった…」という気持ちでいっぱいになりましたが、今さらどんな言葉をかけたらいいのか分からず、一人でずっと悩み続けていました。そして気がつくと、他の先生方とも自然に笑顔で接することができなくなっていました。
今振り返ってみると、もし私があの時、先輩のところに行って「研修に参加させていただきたいんです」と素直に気持ちを伝えていたら…。あるいは「どうしたらいいか分からなくて困っています」と正直に相談していたら…。
きっと、あんなにこじれることはなかったと思います。
もしかすると先輩は、私が自分から話しかけてくるのを待っていてくださったのかもしれません。
保育って、一人ではできないお仕事ですよね。職場の皆さんと協力し合って、お互いに声をかけ合いながら、一緒に子どもたちの成長を支えていくことが大切です。
そして、その土台となるのが「コミュニケーション」です。
でも、コミュニケーションって、自分から声を出さないと相手に思いは伝わりません。お互いが気持ちを伝え合うことで、子どもたちにとってより良い保育を考えることができたり、園全体の雰囲気が明るくなって、保護者の方にも安心していただけるようになります。
私は当時、この基本的なコミュニケーションが全然できていませんでした。今振り返ってみると、本当にそう思います。
皆さんは、職場の先生方との関係はいかがでしょうか?
いろんな職員さんがいる中で、”この先生ともっと仲良くなれたらいいのにな”と思い浮かぶ方もいらっしゃるかもしれませんね。
実は、保育現場での人間関係の悩みって、とても多くの方が抱えているものなんです。子どもたちとの素敵な時間がたくさん生まれる保育の現場だからこそ、人との関わりで悩むことも出てきやすいのかもしれません。
みんな違う背景を持っているから
「保育」というお仕事で同じ園に集まって、一緒に働いていても、私たちの育ってきた環境や大切にしている価値観は、本当にさまざまです。
同じ言葉を使っていても、その人がその言葉に込めている意味は、人によって少しずつ違うこともあります。たとえば、他の園で経験のある先生が新しい園に転職してきた場合、その園の文化に馴染むまでには時間がかかりますよね。
また、新人さん、中堅の先生、リーダーの先生、管理職の方…それぞれの立場によって、同じ出来事でも見え方や感じ方が違うため、時には思いが行き違ってしまうこともあります。でも、そういうことがあるんだということを知った上で、お互いに歩み寄っていけば、みんなにとって居心地の良い職場を作っていくことができるのではないでしょうか。
ヒントを学んでみませんか?
今度、保育コミュニケーション協会で「人間関係の良い職場の工夫」という講座を開催します。
この講座では、人間関係を円滑にする4つのポイントを、具体的に学ぶことができます。価値観や考え方の違いを実際に体験してみたり、視点を変えることで見えてくる相手の気持ちを、ワークを通して一緒に学んでいきます。
講座で学べる内容
1. 園内の人間関係について考える
まずは現在の職場の人間関係を、客観的に見つめ直してみます。
2. 園内の空気感を客観的に捉える
「自分が悪いのかも…」「嫌われているのかも…」といった思い込みから離れて、俯瞰した視点で状況を見る方法を学びます。
3. 人間関係を円滑にする4つのポイント
価値観や思いの違いを体感したり、視点を変えることで見えてくる相手の思いを、ワークを通して学んでいきます。
4. 明日への一歩
学んだことを実際の職場でどう活かしていくか、具体的なアクションプランを考えます。
参加された方の声
- 「相手の言葉の裏にある気持ちを知ることが大切だと分かりました」
- 「園の様子を図に描くことで、客観的に見られるようになりました」
- 「価値観は人それぞれ違うものだと分かって、気持ちが楽になりました」
- 「相手の価値観を聞いて、その人の願いや思いを知ることから始めたいと思います」
開催詳細
開催日時:
- 2025年9月21日(日) 10:00~12:00(岩本香講師)
- 2025年9月30日(木) 20:00~22:00(宮嶋順子講師)
受講方法: オンライン(ZOOM)で開催
参加費:
- 一般参加:4,290円(税込)
- 公式LINE会員・紹介参加:4,180円(税込)
- オンラインサロン会員:4,070円(税込)
- 法人(3名以上):11,000円(税込)
小さな一歩から始まる変化
人間関係で悩んでいると、どうしても自分の目線からしか物事を見れなくなってしまいがちです。でも、少し視点を変えてみることで、いろんな解決のヒントが見えてくることもあります。
あなたの職場を良くする答えは、実はあなたが一番よく知っているのかもしれません。
私の新人時代のエピソードのように、「もしもあの時、勇気を出して話しかけていたら…」という後悔を重ねるのではなく、今からでも関係性を改善していく方法を一緒に学んでみませんか?
子どもを真ん中にしたチームの関係性が良くなって、もっと気軽に話せるようになったり、笑顔で過ごす時間が増えるような、そんな工夫について一緒に考えていきましょう。
詳しい内容とお申し込みはこちらから
https://hoiku-communication.com/schedule/kodomo_mannaka_hoiku2025/
<ファシリテーター講師>
宮嶋 順子
川崎市、新潟県内の公立保育園・幼稚園で働く中で、
教育委員会の事務の仕事にも携わり、
人との繋がり、コミュニケーションの大切さを感じる。
以降、クラス担任の他に、フリー保育担当として各クラスのサポートや
一時保育や要配慮児の保育に取り組みながら、
子どもや保護者に寄り添う仕事に携わっている。
岩本 香
公立園で30年間で保育職、教育委員会、子育て支援センターに勤務。
社会教育主事を取得。生涯学習講座を担当し、
子どもから高齢者の方が生きいきと楽しく学習できるよう
講座内容を6年間で100講座、計画・運営し好評を得る。
コーチングを通じて、みんなの支えになりたい!!と考え、
現在は保護者支援や後輩の育成を行い、心に寄り添える保育者を目指している。
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