保護者との距離感と信頼を考える。保護者とのコミュニケーション研修5月開催

「保育園って、どこまで寄り添うべきなんだろう…?」
「保護者の思いも受け止めたい。でも、現場はギリギリで回してる…」

そんなふうに、心の中で揺れる瞬間はありませんか?
保育の仕事は、子どもの命と成長を守ると同時に、保護者との関係性づくりも欠かせない、大切で繊細な営みです。けれども、限られた人数と時間の中では、すべてに応えられないジレンマもありますよね。

そんなささいな“気づき”から、たとえば、朝の送り時。
私たちはふと保護者の服装を見て、「今日はお仕事お休みなのかな?」と感じたり。

夕方、お迎えがいつもより遅いと、「何かあったのかな…」「連絡先は今日も会社でいいのかな?」と、そわそわした気持ちになることもあるかもしれません。
もちろん、すぐに聞けるような内容ではない。けれど、どこかで気になってしまう。それが、保育者という立場の“心配”でもあり、“責任”でもあるのだと思います。

ある日の出来事から…

ある日、早番を終えた職員が、こんなことを話してくれました。

「昨日、カフェで保護者の方を見かけたんです。お仕事お休みだったのかな…。何も声はかけられなかったけど、ちょっとドキドキしてしまって。」

多くの保護者が、まっすぐに園へお迎えに来る中、ちょっと寄り道していたように見えたことが、心に引っかかったようでした。

「早く迎えに来てほしいな…」
「なにかあるなら、教えてほしいな…」

そんな思いが重なると、職員側の中でも“モヤモヤ”が生まれてしまうのかもしれません。

ふとした声かけから、生まれた涙

次の日、そのお母さまがいつものようにお迎えに来られたとき、私はそっと声をかけました。

「最近お忙しそうですね。体調は大丈夫ですか?」

すると、ふっと視線をそらされて、言葉が返ってきませんでした。気になって、少し肩に触れて「小さなお子さんを抱えて、お仕事も本当に大変ですよね」と伝えると…涙がぽろぽろとこぼれ落ちたのです。
別室で静かにお話を伺ったところ、高校で教鞭をとるお母さまは、荒れた学校の現場で心身ともに限界寸前。

「帰り道にカフェでひと息つかないと、“お母さん”になれなくて…」と話してくれました。

その言葉に、胸がぎゅっとなりました。

保育園の“役割”って、どこまで?

限られた職員数でギリギリの毎日。
時間どおりに来てくれる保護者がいる一方で、「自分のために時間を使いたい」という気持ちでの遅れ。

それを“わがまま”と受け止めてしまうか、“リセットの時間”と理解するかは、保育者の感じ方次第です。
もちろん、現場の負担を無視するわけにはいきません。
でも、保護者もまた、子どもを育てるために、必死に「自分を立て直す時間」が必要なときもある。

そんな葛藤の中で、私たちは日々「どう向き合うか」を考え続けているのだと思います。

保護者の背景に、どんな物語があるのか

目の前に見える行動だけでは、わからないことがたくさんあります。
連絡がない、説明がない…そんなときこそ、実は言葉にできない苦しさや疲れを抱えている保護者がいるのかもしれません。

保育園としてどこまで受け入れるのか?
どんなコミュニケーションを重ねれば、お互いにとって優しい関係が育まれていくのか?
そんな問いを、一緒に見つめなおす時間があってもいいのではないでしょうか。

🌼 そんな方にこそ

「保護者対応、どうしたらいいのか分からない」
「いつもどこか、距離感に悩んでしまう…」

そんな方に向けた、保育コミュニケーション協会の研修を開催します。
保護者との関係づくりを、やさしく、具体的に紐解いていく2時間です。

📝研修のご案内

📅【開催日】2025年5月18日(日)10:00〜12:00
💻【場所】オンライン(Zoom)
🌿【対象】保育者・保育関係者のみなさま(どの立場でも歓迎です)
💰【参加費】一般:3900円 (税込:4290円)
      無料Line会員・ご紹介:3800円 (税込:4180円)
      オンラインサロン会員:3700円 (税込:4070円)

🔗 詳細・お申込みはこちらから
👉 新学期に知っておきたい 保護者とのコミュニケーション

保育者の想いと、保護者の願いが、少しずつ重なり合っていくように──

対話の種を一緒にまいてみませんか?🍀

📚研修内容

  1. 私たちが育った環境を振り返る

  2. 子育て支援の現状を知る

  3. 保護者のニーズを読み解く視点

  4. 「要望」を「リクエスト」として受け取る工夫

  5. 気持ちに寄り添うコミュニケーションの姿勢

  6. 相手に伝わる“伝え方”の工夫

“ルールを伝える”ではなく、“思いを届ける”

そんな関係性づくりに向けて、少し立ち止まり、考えてみませんか?

あなたの現場での声を持ち寄りながら、一緒にヒントを探していきましょう。

きっと、明日からの関わりが少し変わって見えるはずです。


<講師:認定ファシリテーター講師>

小方久美講師 (5月18日10:00~12:00担当)

認定ファシリテーター育成講座7期生終了。

東京都内の公立保育園にて保育道一筋40年。現役プレイヤー、リーダー(主任・主査)、施設長を経験する中で、4500人以上の子どもたちの育ちとその家庭の支援に関わってきた。「人生の根っこを育む」「遊びがド真ん中」をモットーに職員たちと保育を展開し、保護者や地域に向けても、自己肯定感と自尊心を育む保育を発信している。

職員とのコミュニケーションや保護者対応で苦悩と葛藤を抱えていたところから、コーチングやファシリテーションについて学びを深める。「答えは相手の中にある」という視点を通して、園長としての在り方が職場を変えていくという大きな気付きを得、傾聴とボトムアップによる職員の意欲向上と支え合えるチーム作りへと舵を切った。成長を喜び合える前向きな職場づくりをサポートしている。

保育者たちのその先には、未来を作っていく子どもたちがいる。子どもたちの笑顔と、豊かな未来を支えるために、保育者たちが勇気をもって1歩踏み出すことができるような後押しをしていきたい。現在、園長業の傍ら、ファシリテーター講師としての活動も展開中。

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