園を変えるのは、あなたの一歩かもしれない【レポート】園内ファシリテーター育成講座・最終回

2025年1月にスタートした園内ファシリテーター育成講座が、6月末で最終回を迎えました。

振り返ってみると、本当にあっという間の6か月間でした。でも、その一つひとつの瞬間には、参加してくださった保育者の皆さんの成長と変化が詰まっていて、私たちにとっても学びと感動に満ちた時間となりました。

今日は、そんな第8期最終回の様子と、この6か月間で生まれた素敵な変化についてお話しさせていただきたいと思います。

熱い思いを持った仲間たちとの出会い

今回の第8期にも、本当に様々な背景を持つ、熱い思いを抱いた保育者の皆さんが集まってくださいました。

スタートの5か月前から「楽しみに待っていました!」とおっしゃってくださった方、海外からネット検索で「これだ!」と飛び込んでくださった方、不安を抱えながらも勇気を出して現場に向き合い続けた方――。

それぞれに異なるきっかけや想いを持ちながらも、「より良い保育環境を作りたい」「子どもたちのために大人同士がもっと良い関係を築きたい」という共通の願いで結ばれた、本当に素敵なメンバーでした。

6か月・12回にわたる学びの旅

この講座では、月2回のオンラインセッションを通して、それぞれが現場に持ち帰り、学びを実践し、そしてまた次のセッションで体験をシェアするという、とても実践的なスタイルで進めてまいりました。

「私だけじゃないんだ」――そんな風に仲間の経験やシェアに勇気をもらいながら、皆さんが一歩ずつ前進してくださった姿を見ていて、私たちも本当に嬉しく、心強く感じていました。時には思うようにいかないこともあったかもしれません。でも、そんな時こそ仲間がいることの力強さを感じられたのではないでしょうか。

最終回となる今回は、これまでの学びを総まとめし、園内で対話を活性化させるための大切なファシリテーションのポイントを振り返りました。

特に印象的だった3つのポイントをご紹介させていただきます。

1. メッセージ・コメントの重要性

総まとめの部分で、これまでの振り返りを踏まえて今後へ向けたメッセージを届けることで、場の一体感が高まることを実感していただきました。

「ドラマが見えるような言葉を紡ぐのは難しいけれど、心に響いた」

そんな声が上がるほど、言葉の力を磨くことの重要性を皆さんと一緒に再確認することができました。
適切な言葉選びや、相手の心に届くメッセージの伝え方は、ファシリテーションにおいて欠かせないスキルです。技術的なことだけでなく、心を込めて伝えることの大切さも感じていただけたのではないでしょうか。

2. 場のマネジメントと自己管理

ファシリテーターの心の揺れは場に影響するもの――この大切な学びについても、深く話し合いました。自分の感情を「横に置く」ことで冷静さを保ち、対話の土台を整えることが、場全体にとってどれほど重要かを体感していただけたと思います。

ファシリテーターとしての自己管理は、決して感情を押し殺すことではありません。自分の気持ちを適切に認識し、それが場に与える影響を考慮しながら、建設的な方向に導いていく――そんなバランス感覚を身につけていただけたのではないでしょうか。

3. 「ファシリテーションロールプレイ」による実践力アップ

そして今回のハイライトは、現実の場面を想定し、さまざまな役になりきることで心が動くきっかけや場の変化を自分事として感じることができる「ファシリテーションロールプレイ」の時間でした。

リアルな場面設定で学ぶ実践力

みんなで設定したテーマは、「不適切な保育を振り返る会議の場」でした。
これは実際の保育現場で起こりうる、とてもデリケートで難しい状況です。でも、だからこそ、ファシリテーションの力が必要とされる場面でもあります。

参加者の皆さんには、以下のような様々な立場を演じていただきました:

  • 決めつけがちな主任
  • 他人事に構える職員
  • 守る発言をする職員

ロールプレイから生まれた深い気づき

実際に様々な立場を演じてみることで、本当に多くの気づきが生まれました。

「こういう言い方をされると、やっぱり正当化したくなる」
「こんな流れになって、一緒に考えようという気持ちになった」

といった率直な声が上がり、言葉の使い方一つ、進行の仕方一つで、場の雰囲気や参加者の気持ちがどれほど変わるかを、身をもって体験していただくことができました。
場全体をゴールに向かわせる難しさと同時に、その可能性も体感することができたのではないでしょうか。

参加メンバーの皆さんからの嬉しい声

6か月間の学びを通して、参加してくださったメンバーの皆さんから、こんな嬉しい声をいただきました。

「インストラクションを意識するようになり、職員の反応が変わった」

「小さな配慮が集団全体への配慮につながり、園内の雰囲気が良くなった」

「自分の伸びしろが見えてきて、この先が楽しみになった」

「伝わらない…ともどかしさが減った」

それぞれの言葉から、”大人の土壌を耕す”6か月間が確かな手ごたえになっていることを実感し、私も皆さんそれぞれの変化に心から感動いたしました。学んだスキルが実際の現場で活かされ、職場の雰囲気や人間関係に良い変化をもたらしている――これほど嬉しいことはありません。

心強いサポーター:宮嶋順子講師

今回も、現場経験豊富な宮嶋順子(じゅんちゃん)講師がアシスタントとしてサポートしてくださいました。
受講生の戸惑いや挑戦に寄り添いながら、現場と学びをつなぐ伴走役を務めてくれた宮嶋講師の存在は、本当に心強いものでした。

最後の振り返りでは、私とともに「今回も、現場を支えるいいお役目ができましたね」と感慨深く振り返る時間となりました。一人ひとりの受講生に寄り添い、それぞれの成長を見守り続けてくださった宮嶋講師には、心から感謝しています。

新たなファシリテーターの誕生

この6か月間を通して、参加してくださった皆さんは、それぞれの園で変化を生み出すファシリテーターとして成長されました。

学んだスキルや視点を活かして、きっとそれぞれの現場でより良い対話の場を作り、チーム全体をより良い方向に導いていってくださることでしょう。そして、その変化は子どもたちにも必ず伝わり、より豊かな保育環境につながっていくはずです。

あなたの園に新しい風を

ファシリテーションのスキルは、決して特別な人だけが身につけられるものではありません。相手を思いやる気持ちと、より良い環境を作りたいという想いがあれば、誰でも素敵なファシリテーターになることができます。

あなたの園にも、きっと新しい風を吹かせることができるはずです。

次回の開催について詳しく知りたい方は、ぜひ園内ファシリテーター育成講座のページをご覧ください。皆さんとお会いできる日を心から楽しみにしています。


▼次回開催・詳細はこちらをご覧ください
園内ファシリテーター育成講座

園の未来を担う力を、自分の中に育てていきませんか?

【次期開催】2026年春開催予定~園内ファシリテーター育成講座


【保育が辛い…】そんな方へ、保護者支援研修への思い

保育者は、日本の家庭を支えている人たち。
だからこそ…やりがいと誇りを感じて、輝いて欲しい。

さまざまな学びを経て、やっぱり最前線にいるみなさんにこそ
役立てていただきたいなぁと感じております。

こちらの動画が、お役に立てますように。

動画を見る

関連リンク

個別対応から“場”へのファシリテーションへ【レポート】園内ファシリテーター育成講座・第7回
いまを多面的に捉え、ありたい自分を生きる |保育コーチングベーシック 第3期 Vol.2レポート
自園を一歩底上げする、園内研修を考えるファシリテーターへ【園内ファシリテーター育成講座】第7期 ZOOM11レポート