子どもを真ん中に、困っている保護者と未来を見つめるために

先日、アジルラーニング、ほいりんさんにて「苦手な保護者の理解と援助」というテーマで研修を担当させていただきました。
保育の現場では、子どもたちとの関わりと同じくらい、保護者の方々との関係も大切な要素の一つですよね。でも時には、なかなか思うようにいかない場面もあるのではないでしょうか。

保育者が感じるもどかしさ

研修の中でお話ししたのは、多くの保育者の方が経験されているであろう、こんな場面についてです。

園としてのルールにご納得いただけない…
なかなか持ち物を持ってきていただけない…
伝えたことと、違う反応が返ってきてしまう…

そんな時、心の奥でこんな風に感じてしまうことはありませんか?

「私だから、受け入れてもらえないのかな」
「子どものためなのに…」

一生懸命だからこそ、もどかしさを感じる場面もあるかもしれません。その気持ち、本当によくわかります。子どもたちのことを思って行動しているのに、なかなか理解していただけないと、悲しくなったり、自信を失ったりしてしまいますよね。

視点を変えてみると見えてくるもの

でも、少し視点を変えてみると、実は見えてくることがあります。

じつは、背景や理由・思い・発達の視点が共有できていなかったり、保護者の方も、それどころではない必死感で、ただただ子どもと生活に向き合っている場面もあるのです。

私たち保育者が「子どものために」と思って行動していることと同じように、保護者の方々も「わが子のために」と必死に向き合っていらっしゃいます。ただ、その想いの表現の仕方や、置かれている状況が違うだけなのかもしれません。

お互いに同じ想いを持ちながらも、それが伝わりきらないもどかしさ――これは保育者だけでなく、保護者の方も感じていることなのかもしれませんね。

つながりを大切にしながら

今回の研修はYouTubeでの配信となったため、皆さんのお顔は直接見ることができませんでした。でも、当日の質問にもいくつかお声をいただいていたようで、反応が返ってくる場になったことがとても嬉しく感じています。

画面越しでも、きっと皆さんが日々の保育の中で感じていらっしゃる想いや悩み、そして保護者の方々との関係をより良いものにしたいという願いが伝わってきました。

一人ひとりが異なる背景や状況の中で、子どもたちと向き合い、保護者の方々との関係を築いていく――それは決して簡単なことではありません。でも、だからこそ、お互いの立場や想いを理解しようとする気持ちが大切なのだと思います。


保護者との関係に正解はありません。一つひとつの関係が違うように、アプローチも様々です。大切なのは、相手を理解しようとする心と、自分自身も理解してもらいたいという気持ちを、丁寧に伝えていくことかもしれません。

今回の研修が、日々模索されている皆さんにとって、明日へのヒントが見つかる時間になっていれば幸いです。
保育者として、一人の人として、保護者の方々との温かい関係を築いていけるよう、私たちも一緒に歩んでいけたらと思います。


研修にご参加いただいた皆さん、貴重な時間をありがとうございました。
これからも、子どもたちと保護者の方々、そして私たち保育者が、お互いを理解し合える関係を築いていけますように。

🍀 9月17日(水)クローバーラウンジ詳細

日時: 9月17日(水)20:00〜21:30
場所: オンライン(Zoom)
参加費: 一般 1,500円 / オンラインサロンメンバー 無料
定員: 12名(少人数制で安心してお話しできます)

▼ お申込みはこちらから https://forms.gle/sxAwjoQQR56KdKYL7


保育コミュニケーション協会代表の松原美里も参加します。お一人お一人のお話をじっくりと聞かせていただき、一緒に未来を描いていきましょう。

あなたの「次の一歩」を、ぜひ応援させてください。

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🌿講師:松原美里

北海道網走市生まれ。横浜女子短大 保育科を卒業。
保育士資格・幼稚園教諭二種免許取得。
横浜市の保育園~川崎市の児童養護施設にて保育に携わる中で、
子どもにとって大切な存在である親のサポートの必要性を感じ、退職。
「大人が輝く背中を見せる」ことの重要性を感じてコーチング(米国認定コーアクティブコーチ資格)・
心理学・NLPを学び、2007年よりUmehanaRelationsを設立する(2020年より合同会社ウメハナチャイルドケアコミュニケーションズ)。
保育の視点を子育て支援に生かすAllAbout「育児の基礎知識」ガイドのほか、子育て支援講座、監修・三幸学園千葉校にて、保育原論・児童心理学等を担当。

大阪での虐待事件の背景に、「一番近くにいる保育士にこそ、コーチングを役立ててもらいたい」と、2008年より保育士向けコミュニケーション講座を定期的に主催。
幼稚園での保護者対応研修・広島での保育士研修・島根県での再就職支援講座等を皮切りに、講師としての活動を開始する。
2011年~2016年までエクレス保育園~認定こども園エクレス保育園部施設長。
2019年より保育コミュニケーション協会 代表。保育士キャリアアップ研修マネジメント等担当。
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