「ルールだから」だけでは伝わらない。保護者との信頼関係、どう築いていきますか?

こんにちは。

保育コミュニケーション協会、認定ファシリテーター講師の小方です。

年度はじめや季節の節目などに、園から保護者の方々へ「お願い」としてルールやお願い事項をお伝えする機会、ありますよね。
園での生活をスムーズに進めるため、子どもたちの安心・安全を守るためには、一定のルールを共有することは大切です。
けれども、その「ルール」が、時に保護者との行き違いや摩擦のきっかけになってしまうこともあるのではないでしょうか。

たとえば、お子さんの発熱によるお迎えのご連絡。
保育者としては、何より子どもの体調が心配。感染症の予防も含めて「できるだけ早くお迎えに来てほしい」と思いますよね。

一方で保護者も、もちろん我が子の体調が気がかり。
けれど仕事の調整や職場の理解、家族の状況など、すぐには動けない事情があることも。
“お互いに心配しているのに、思いがすれ違ってしまう”──そんな場面、少なくないかもしれません。

ある日、私の園でもこんな出来事がありました。

お迎えの連絡後、保護者の方は昼過ぎには駆けつけてくれました。
その時点でお子さんの体温は38.5℃。
「明日もお家で様子を見ていただけますか?」と看護師からお伝えし、「わかりました」と帰って行かれました。

ところが夕方、園に一本の電話。
「今は熱が下がっているので、明日は登園させます」とのこと。
改めて「一旦下がってもぶり返すこともあるので、できれば明日もお休みを…」とお伝えしたところ、電話口で突然、強い口調に。

「それは園の都合でしょ? 私たちの生活はどうなるんですか。私はこの腕一本で稼いでるんです。明日の仕事が間に合わなければ、収入がなくなるかもしれない。園が責任を取ってくれるんですか?」

その方は、フリーランスでアーティストとして活動されているお母さんでした。
朝から夜中まで、ギリギリの中で頑張っておられること、私たちは知りませんでした。

ルールは確かに大切です。
でも、それを伝える前に、その方の背景にある「事情」や「想い」に、ほんの少しでも心を寄せることができていたら──
こんなにすれ違わずに済んだのかもしれません。

保育園は集団生活の場。
一定のルールやお願いごとは、必要です。
でも、それをどう伝えるか、どんなふうに受け止めてもらえるかは、信頼関係に大きく左右されるように思うのです。
保護者と保育者が、お互いを理解し合い、歩み寄っていくためにはどうすればよいのでしょうか?

「伝える」ではなく、「届く」関係性へ。

今回のオンライン研修では、保護者とのすれ違いを避けながら、信頼を築いていくためのヒントを事例とともにご紹介します。

ただ注意するのではなく、「気持ちに寄り添う」「背景を理解する」「伝わる工夫をする」──
そんな小さな積み重ねが、保育者の言葉を“届く言葉”へと変えていきます。

📣こんな方におすすめです

  • 保護者対応に、ちょっと苦手意識がある

  • もっと保護者と協力し合って、子どもの成長を見守りたい

  • 意見がぶつかったとき、どう接すればいいのか悩んでしまう

  • 忙しさの中で、保護者対応がしんどいと感じている

  • 園全体で、保護者との関係づくりを見直したい

📝研修のご案内

📅【開催日】2025年5月18日(日)10:00〜12:00
💻【場所】オンライン(Zoom)
🌿【対象】保育者・保育関係者のみなさま(どの立場でも歓迎です)
💰【参加費】一般:3900円 (税込:4290円)
      無料Line会員・ご紹介:3800円 (税込:4180円)
      オンラインサロン会員:3700円 (税込:4070円)

🔗 詳細・お申込みはこちらから
👉 新学期に知っておきたい 保護者とのコミュニケーション

📚研修内容

  1. 私たちが育った環境を振り返る

  2. 子育て支援の現状を知る

  3. 保護者のニーズを読み解く視点

  4. 「要望」を「リクエスト」として受け取る工夫

  5. 気持ちに寄り添うコミュニケーションの姿勢

  6. 相手に伝わる“伝え方”の工夫

“ルールを伝える”ではなく、“思いを届ける”

そんな関係性づくりに向けて、少し立ち止まり、考えてみませんか?

あなたの現場での声を持ち寄りながら、一緒にヒントを探していきましょう。

きっと、明日からの関わりが少し変わって見えるはずです。


<講師:認定ファシリテーター講師>

小方久美講師 (5月18日10:00~12:00担当)

認定ファシリテーター育成講座7期生終了。

東京都内の公立保育園にて保育道一筋40年。現役プレイヤー、リーダー(主任・主査)、施設長を経験する中で、4500人以上の子どもたちの育ちとその家庭の支援に関わってきた。「人生の根っこを育む」「遊びがド真ん中」をモットーに職員たちと保育を展開し、保護者や地域に向けても、自己肯定感と自尊心を育む保育を発信している。

職員とのコミュニケーションや保護者対応で苦悩と葛藤を抱えていたところから、コーチングやファシリテーションについて学びを深める。「答えは相手の中にある」という視点を通して、園長としての在り方が職場を変えていくという大きな気付きを得、傾聴とボトムアップによる職員の意欲向上と支え合えるチーム作りへと舵を切った。成長を喜び合える前向きな職場づくりをサポートしている。

保育者たちのその先には、未来を作っていく子どもたちがいる。子どもたちの笑顔と、豊かな未来を支えるために、保育者たちが勇気をもって1歩踏み出すことができるような後押しをしていきたい。現在、園長業の傍ら、ファシリテーター講師としての活動も展開中。

関連リンク

🔗保護者の言葉の奥にあるニーズに耳を傾けると見える景色
🔗千葉県市町村アカデミー様にて「社会の最前線における保護者支援コミュニケーション」
🔗保護者とよりよい関係を築くためのコミュニケーション