気になる子が、増えている【オンラインサロンローズ定例会】2023年5月開催レポート

「気になる子が、増えている」
この感覚を持っている保育者はかなり多いのではないでしょうか。

保育者と子どもの人数比に基づいて考えると、特定の子に手を掛けたいという思いがありながらも、なかなか実現できないもどかしさや、一方の子に手を掛けると他の子たちの気持ちに対応できないという愛の葛藤の狭間で胸を痛めている保育者も少なくありません。

保育コミュニケーション協会、オンラインサロン、2023年5月のローズ定例会。
テーマは、「気になる子と園内の体制」ということで、リアルなお二人の事例を通じて、現場の困難や園内の葛藤とともに、どれだけの愛情を注いで関わってきたかが共有されました。

保育の専門性を発揮するために、重ねている日々の努力を垣間見させていただくことが出来、胸が熱くなる時間でした。
大変なことも多いと思いますが、改めて保育者って素敵なお仕事だなぁと感じます。しかし、保育者は多岐にわたる支援が必要な関わりであるため、一人で抱え込んでしまうと苦しくなりますね。たくさんのまなざし、愛情、そして協力の手があるからこそ、この専門性が成り立っていると実感しました。

園内での支え合いや信頼し合える体制を築くために、チームワークを耕していくことが大切ですね。

みなさんの日々のご尽力に、心より感謝です。

保育コミュニケーション協会【オンラインサロン】

 

あさみさんの振り返り

5月24日(水)のローズ定例会は、かおり先生とじゅんちゃんによる『気になる子と園内の体制』でした。

かおり先生による『乳児の脳性麻痺の子どもの保育を通して』

【子どもの姿】

  • 首から下は動かず、全介助が必要。
  • 食べ物をごっくんと飲み込むことが難しい。
  • 体温調節ができない。
  • てんかんが起こるかもしれない。

かおり先生が入園前に言われた『命の危険』を伴う言葉は、戸惑いと恐怖が溢れるものだったそうです。それでも、お母さんの願いである『地域の子どもたちと共に過ごしてほしい』という思いを受け止め、勉強しながら試行錯誤する日々がスタート。

体をほぐす体操をしたり、歌を沢山歌ったり、様々な経験をさせてあげたいと、水に触れたり、お散歩へ行ったり、マットを積み上げ、遊びやすい環境を整えたりしながら『この子に合った対応を』と、保護者とも密に連携を取りながら、丁寧に丁寧に保育をしていったとのこと。
そして、『子どもたちが笑顔で来園し、笑顔で帰る』ということを大切に、愛情に満ちた温かい対応を積み重ねることで、名前を呼ぶと笑顔で応えてくれる関係と変化していったそうです。

かおり先生のお話に触れ、参加者の皆様は深まる信頼関係と愛情に感動し、目頭が熱くなる姿がありました。


じゅんちゃんによる『気になる子どもの保護者支援を通して』

自分の子どもの成長は感じているけれど、どうしても他の子と自分の子を比べてしまい、苦しさから行事にも参加したくない、という保護者の方もいらっしゃいます。そんな保護者の方の思いに、じゅんちゃんはどのように寄り添えば良いのか、寄り添い切れないもどかしさを感じながら模索する日々を送っていたとのこと。

ある時、お母さんの表情の変化や、ふと口にした『限界』のサインに気付いたじゅんちゃんは、すぐに園長先生と連携し、関係機関に相談、役所へと繋げていくことが出来たそうです。
スピード感溢れる対応のおかげで、お母さんもホッとする時間を持つことができるようになり、笑顔も増えていったと話されていました。

そんな貴重な体験談を聴きながら、真剣にメモを取る参加者の皆様の姿がありました。

その後、ブレイクアウトルームに分かれて、育児に悩む保護者に保育士としてどう声をかけたらいいかを参加者の皆さんで話し合いました。迷惑をかけて申し訳ない思いを感じながらも、なんとかしたくて努力する日々に疲労し、苦しさを感じている保護者の方に想いを馳せ寄り添いながら、グループで考えていきました。

その中で出てきた『黄金のサンドイッチ』が印象的だったので、紹介致します。

  1. まずは、子どもの良いところや、良かったエピソードを伝える。
  2. ちょっと言いにくい本当に伝えたいことを伝える。
  3. でも、本当にこの子、可愛いですよね!と伝えてクローズする。

愛がいっぱいの『黄金のサンドイッチ』は、様々な場面で応用できることでしょう。相手を認め、寄り添い、背中を押していく温かい言葉が、保護者の方々のエネルギーに変わっていく様子を、それぞれが感じる時間となりました。

新たな気持ちで明日へと繋げていこうとする、参加者の皆様の決意溢れる輝く表情が印象的でした。

保育コミュニケーション協会【オンラインサロン】

 

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参加者の感想を一部ご紹介します

重度の障がいを持ったお子さまを預かる時の心の持ち方や在り方、悩みや戸惑い、保護者との関係性などはどこに居ても誰であっても同じなのだと思い、独りではないという安心感を頂きました。また、子育てに困り感を持っている保護者に対する関わりについて実際にやってみる事で、保護者としてこう言われると嬉しい、安心する。安心できる表情(温かい笑顔)など言葉だけでなく相手から伝わるエネルギーのようなものをキャッチすると感じました。

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