職員労働組合 保育部会研修「子どもを真ん中にして学び合う、未来へつながる明日への一歩」実績報告

「子どもたちが豊かに健やかに育ち、子どもたちの笑い声が響く街にしていくことを願ってわたし達が手をつなぎ合う」というねらいを掲げて活動をされているみなさまと共に、その願いがさらに輝くように、参加されているお1人おひとりが明日に向けてどんな一歩を踏み出せるか、そんなワクワクしながらの講演スタートとなりました。

ただ最初は、理想とする保育は見えているものの、現実とのはざまの中で葛藤を抱えてもがいているような現状がありました。そこで、今現場では何が起きているのか、共有することから始めました。

  • もっと1人ひとりの子どもと向き合いたいのに、人手も余裕もなく、一斉の行動をせざるを得ない。
  • 子どもたちの可能性を広げたいのに、制限や禁止が増えていて、経験の機会が減っているのではないか。
  • 主体性や自己肯定感を育みたいのに、環境設定が難しく、遊びの工夫や提案力に課題があるのではないか。
  • 主体性を大切にするとは具体的にどんなことなのか、わからない人が増えていると感じている。

自己紹介を兼ねた、今園で何が起きているかというお互いのシェアの中でも、同じような声がたくさん聞かれました。この理想を、現実へと近づけていきたいですよね。

そこで、まず保育園や子ども園は、そもそも一体何をしている所なのか、現場のみなさまが大切にしたいと思っていることは何なのか、非認知能力の観点から言語化していきました。その上で、なぜこの能力が必要なのか、それは具体的にどんな力なのか、それを育むにはどうしたらいいのか、時代や未来への視点も読み解きながらお伝えしました。
みなさまの中に、「そうそう!わたし達が大切にしたいのはそれ!」という思いが宿ったように見えた瞬間でした。

さらに、子どもの気持ちを体感するワークを通して、大人のかかわり方ひとつで、子どもたちの未来が変わっていくんだということを実感され、みなさまが実際の現場で日々育んでいるものを、「遊び」「人とのかかわり」「社会性」という観点から言語化していくと、「あ!わたしたち毎日それをやってたんだ!」というところに改めて気付かれたみなさまの、自信と誇りを感じる場面となりました。

では何故、実感としては冒頭のような葛藤やモヤモヤを抱えていらっしゃるのか。もしかしたら、今のままじゃ理想の保育なんてできるわけがない。人手がない、余裕がない、できる環境がない…そんな思いにとらわれてはいないだろうか。また、活動や行事、会議や書類、時間の使い方やシフトなど、縛られてしまっているもの、当たり前になってしまっていることで、見直せることや手放せるものはないだろうか。

そこで視点を変えて、「ない」ものではなく、今「ある」ものを探す、そして、何か手放せるものがないか考える、そんなワークを行い、さらにそれを4人組のグループになってシェアし合いました。共感や気付きが満載で、お話が止まらないくらい、みなさま盛り上がっていらっしゃいました。そしてそれぞれのグループで出たアイディアをホワイトボードに書き入れていただくと、そこは新たな視点の宝庫。写真を撮ってそれぞれの園に持ち帰る、みなさまのおみやげとなりました。

最後に、主体性を育む保育について、映像を見ながら事例をご紹介し、その上で、共主体についての概念や、実際の保育の場面のエピソードをみなさまと共有し合いました。


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参加された方の声

改めて、自分のしている仕事が人の未来につながる一歩を作っているのだとお話を聞いて思い、責任と同時に明日からのモチベーションにもなりました。ありがとうございました。
日々子どもと向き合う大切さと、それを実現するために前例踏襲が当たり前と考えず、業務を見直していくことの大切さを学びました。
他園の職員と語り合え、共有できたことが有意義な時間でした。今あるもの、手放せるものを書き出すことで明確になりました。講師の具体的なエピソードを聞き、主体性とは何か考えるきっかけになりました。
日々モヤモヤすることもあるけれど、子どもの本心に寄り添ったり周りと協力したりすることで、子どものためになっていくんだと改めて実感しました。「共主体」を意識した環境を作っていきたいと思いました。
子どもたちから意見を聞いたり話し合ったりすることがとても大事だと改めて感じました。一人だけではなく、同じ職場の方々と共有し、実現していきたいです。
ワークを通して他園の様子を知ると共に、自分の考えを深めたり、自園のやり方を見直すきっかけをもらえました。日々、事務や行事準備に追われているので、手放せるものを意識して業務にあたりたいと思いました。
現場を経験された講師の視点からの話は、実際の現場での問題点や改善点を改めて考えることができる内容でした。他園の方たちと話すことで見えてきたものも多く、学んだことがたくさんありました。
未来を生きる子どもたちに大切な力のお話の中で、子どもが安心感を持ち何度でもチャレンジできる場を作ることの大事さを学ぶことができ、明日からの保育につなげていきたいと思いました。ありがとうございました。

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