ここに居てもいいんだ、と思える研修の入り口を【認定ファシリテーター講師育成講座 ZOOM7】開催レポート
認定ファシリテーター講師育成講座 第8期のZOOM7を終了いたしました。
研修の講師というと、当日に伝えるプログラムや内容を進めるイメージが一般的かもしれませんが、実際には用意した内容と受講者のモチベーションは多くの場合異なります。
例えばキャリアアップ研修のマネジメントにおいて、特に保育現場のリーダーとしてのスキル向上を図る場合、全体の視野を広げ、メンバーを「子どものため」のゴールに導く手法が重要です。保育の現場でリーダーシップを発揮する方々が、全体を見通す視点を養い、メンバーに対して効果的な指導を行うスキルを身につけることや、「子どものため」を共有のゴールと位置づけ、その実現に向けてメンバーを統一し、協力を促進するための工夫や仕掛けの考え方を体得することなどです。
ですが、当日会場に来る方は、ポジティブな方はごく一部。
(「先輩から、松原の研修は楽しい!と聞いて楽しみにしてました。」という人が最近ちらほらいらっしゃいますが)
多くの方は、「上司に言ってと言われたので来ました」
「保育現場にマネジメントって必要なのかな…。」
~という心持ちからスタートします。
そんな時私が大切にしているのは、受講者の今の立ち位置を知り、気持ちを代弁するところからスタートすることです。
「ああ、ここに居てもいいんだ。」
「自分のためにある研修なのかもしれない」
~そう感じられる場のセットアップをすることです。
認定ファシリテーター講師育成講座第8期ZOOMの7回目では、事前レクチャー動画にて実際の研修の中で意識していることや心掛けていることを事例として紹介しました。
本編では最初に、前回の電波の乱れによりチャレンジが中断されていたメンバーに対して、インストラクション実践に関するフィードバックを行いました。その後、以下の2つのバージョンを通じて体験を。
Version1:正論で研修を進めるアプローチ
Version2:気持ちに寄り添い、安心して前を向ける場への働きかけ
これらのアプローチを通じて、受講者が集まる“場”へのかかわり方についての理解を深め、実践的なスキルを身につけ深めていくひとときとなりました。
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アシスタント:じゅんさんの振り返り
Zoom6の学びの振り返りをしながら、前回、シナリオ(インストラクション)発表ができなかった方のリベンジからZoom7はスタートしました。
松原講師の前回の学びの光景が目に浮かぶような話と、チャレンジした受講生のシナリオ(インストラクション)を聞くことで、学びをより鮮明に思い浮かべることができたように思います。その後、宿題として挙がっていた「前回からの気づき~インストラクションを意識してみて~」をブレークアウトルームや全体でシェアし、さらにじっくり学びを深めていきました。
出てきた声は次の通りです。
- 日々の忙しさに追われ、実践が難しいと感じました。
- 動画を視聴することで、新たな視点から問題を見ることができました。振り返りが重要であることに気づきました。
- 意識的に取り組んだことで、新たな気づきが得られました。
宿題に取り組むことで得られる気づきは多岐にわたると思います。宿題に取り組めなかった方も、思いをシェアする時間を通じて、新たな視点や基本的な姿勢に触れ、学びの深さと意欲を高めることができたように感じます。皆さんそれぞれの思いが一人ひとりの心に染み渡り、学びのエネルギーに変わっていったのを感じました。
今回の事前レクチャーでは、以下のポイントについて学びました。
- 気付き(心の内側で起きていること)に耳を傾ける
聴く力~聞き方
寄り添う姿勢の基本はペーシング - 「聴く」ベースはコーチングマインド
・コーチングとは
・保育に役立つコーチング 5つの要素
① 傾聴(内的・集中的・全方位)
② 観察・フィードバック
③ 認知
④ 質問~オープンクエスチョン
⑤ 反映
松原講師は事前レクチャーを受講者が見てどう感じたか、反応を見ながら把握し、本編へと繋いでいきながら、学びとして落とし込めていけるように丁寧に話をされておりました。
Zoom7では、以下のポイントに焦点を当てながら学びを深めていきました。
- 場へのペーシングを体験する
- 場へのコーチング
ワーク1) 傾聴
ワーク2) 観察・フィードバック
ワーク3) どんな質問があるか
ワーク4) 認知のプレゼント
ワーク5) 自然な反映力を鍛える
場を一人の人と捉え、相手に合わせていく「ペーシング」や、相手の中に答えがあることを大前提とする「コーチング」の概念は、話を聞いただけでは理解が難しいと思います。松原講師から事例を話してもらい、理解はできるが、学びとして落とし込みにくいという様子が見受けられました。
実際、感想の中で、「講師となった時に、どう活かしたらいいかわからない」といった戸惑いの声が聞かれました。一人の思いは全員の思いとなり、松原講師の話を聞きながら、皆さんの思考が止まっているように見受けられました。松原講師は受講者の思いを受け止め、ワークを取り入れながら学びを体感していく、という進め方をされていました。実際、ワークに取り組んでみても「よくわからない」といった声が挙がっていましたが、それは正直な思いであり、難しい学びを受けているからこそ、思考が混乱するのは当然のことだと思います。
松原講師は、混乱が緩和されるように一人一人とじっくり対話をする中で、どんな思考の変化が見られたか、受講生の皆さんと共有することを積み重ねておられるようでした。ゆっくり思考を整理し、学びのスイッチが入った瞬間を私自身が感じることができました。講座全体を通して難しさを感じていた方々も、松原講師から示された思考の立ち位置により、安心感を抱きつつ次への学びへの意欲が高まったと感じられたことでしょう。
学びを重ねるごとに難しさを感じられていると思います。困惑しながらも、その場に立ち続けている受講生の姿に、私も学ぶところが多いです。どこに難しさを感じているのか言語化し、共有しながら、じっくりと理解を深めていけるよう、皆さんの今後の学びをサポートしたいと思います。
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いただいた質問にお答えします
子どもの未来を支える人のための認定ファシリテーター講師育成講座8期 【講師:松原美里】
現場にかかわる人の力を引き出し、ワクワクする子どもの育ちを後押しする気付きの場づくりを!
認定ファシリテーター講師育成講座を保育者としての現場体験・こどもに思いを持つ方が保育や教育に貢献していける土台を作る講座として2023年9月より、第8期として 以下の内容で開催をすることとなりました。
是非、お役立て下さい。
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