保育現場をシステムで読み解くと…モヤモヤの理由が見える【園内ファシリテーター育成講座】2022年4月スタート第6期 ZOOM9レポート

「本音で話していいよ」
…と言葉では言っているのに、なぜか無言の圧を感じてしまうことがあったり、事柄を変えても、なぜか起こる出来事に共通のパターンがあり「また!?」と憤りを感じる出来事があります。
そこには人や関係性の中で影響し合う”システム”があるのかもしれません。
先日、園内ファシリテーター育成講座ZOOMの9回目を終了いたしました。

まずは、前回の振り返り…ということで
「場から引き出す」を体験して読み解くと、宿題の振り返りをリレーファシリテーションする中で、

  • 間ができると、不安、焦りを感じてしまう…待つことが大切。
  • あらためて、皆さん一人一人の意識で場は作られていることを実感した。
  • どういう在り方で、そこにいるのか?
    ホールドする意識が大切。

~といった声が上がっておりました。
筋トレの成果が現われてきているのか、揺らがない在り方に頼もしさを感じさせる面々。
これらの気付きを踏まえて…
今回の本題:「システムで捉える」へと踏み込んでいく一同。

表面的に何度か起こるパターンのある出来事は、背景に構造があり、その根底には「○○は△△である」というメンタルモデルが存在している――
え、それって――?
…という目で読み解いていくと

  • 「だれかが片付けるだろう」「自分が片付けなくてもバレない」とお互いに思ってしまっているお菓子の空箱の山
  • 業務の合間でオンライン研修にさんかすることで意欲に火が付き、現場に好循環が生まれている
  • 0~2への移行・年齢と成長を踏まえての保育計画など、保育はシステムで成り立っている!?
  • 異年齢保育の子どもたちに、新メンバーが加入することによって雰囲気や関係性が変化するのも…!?
  • パソコンが得意な若い先生と、苦手なベテランの先生が一緒に組むと、仕事がめちゃめちゃはかどる。
  • クラスがチェーン店化している園がある

~などなど、おもしろい発見がどんどん出てきました。
今週の宿題はこれらの目を持って2週間、また現場を捉え直し、気づきを持ち帰ること。
次回は、システムが変わるレバレッジポイントを一緒に見つ毛ていく予定です。

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じゅんちゃんよりまとめ

まずは、前回の宿題として挙がっていた『「場の声」を聴きながら場を創ってみての感想や学び』を、リレーファシリテーションをしながら学びを深めていきました。今回感じたのは、皆さんがリラックスした状態でリレーファシリテーションに参加していたことでした。それが場に反映され、温かく話しやすい雰囲気となっていたことを体感することができました。

ただ、ここで一つ盲点があることにも気がつきました。構えずにファシリテーションができた一方で、つい自分の興味のある話を中心に聞いてしまい、話題がテーマからそれてしまいがちな場面があったように感じたことです。

今回のリレーファシリテーションのテーマが『「場から引き出す」を実践してみての感想』であるので、そのテーマは握っておきながらファシリテートしていくことの大切さと難しさを感じました。それぞれが振り返りながら新たに気がつくこともあるかと思います。

今回のリレーファシリテーションで素敵だなと感じたところは、皆さんの表情が柔らかく、優しく場を包み込み、一人一人の声を引き出そうとしていた姿です。その姿にファシリテーションの在り方を体得していると感じました。皆さん自身もリレーファシリテーションにチャレンジして、それぞれが手ごたえを得ながら、本編へと進んでいきました。

今回は、システムという捉え方をじっくり学ぶ時間となり、
1 システムという考え方~小さなサインは氷山の一角かもしれない
2 目の前でなく、本質を見る
3 何が起こっているのか
4 日常の中でのアンテナ
について学びました。

「システム」とは、世の中の有機的な因果関係のつながりのことを指します。例えば、体もシステムであり、酸素を取り込んで(呼吸)自動的に動くシステムを作っている。目の疲れや太りやすいこともシステムであるといったことなど、松原先生は、受講生に問いかけ、表情や反応を見ながら、理解できているか確認されながら話をされていました。

「システム」という言葉は耳にしたことがあっても、どんな意味・考え方なのか、実際のところは理解していない方が多いかと思います。私もそうでした。受講生の皆さんも、松原先生の例え話を頭の中で想像し、理解しながら、保育園で見られるシステムについて、ブレイクアウトルームで語り合うことになりました。いろいろなシステムが思い浮かび、話が盛り上がる一方で、ペーシングやあいづちなど、学んだことが自然とブレイクアウトルームの場で体現できていたようにも感じました。

システムを学び、次に、本質を見るとはどういうことかについて学んでいきました。私達は見えている出来事にどうしても目を向けてしまいがちです。ですが、目には見えない本質に焦点を当てて見ていくことで、今までの傾向や関係性がわかったり、どんな価値観を持っているのか理解することができるようになる。システムのところで話が挙がっていた「お菓子を片付けない職場の風土」を事例として挙げながら考えていきました。

そして、見えない部分に目を向けていくことで、何が起こっているのか、どんな問いを共有したいかを見いだすことができる。それが、現場に起こることを読み解くカギになる。松原先生の話を聞いた後に、自園で何が起きているか、本質に目を向けながら、語り合う時間を持ちました。

システムの捉え方・考え方は、すぐには理解できないかもしれませんが、松原先生の問いに一つ一つ丁寧にじっくり考えていくことで、理解できるようになっていくと思います。

今回の講座で、システムの話以外に感じたこととしましては、松原先生は、常にファシリテートしながら、コーチングの要素(場への傾聴、認知の声かけ、質問で気づきを深める等)やペーシングを取り入れ、受講生一人一人と、または、全体と対話するかのように話をされていたことでした。今は、システムについて理解することが最優先だと思いますが、振り返りをされた後に、松原先生の在り方や場への関わり方が見えてくるのではないかと思います。

今回、宿題として挙がっていた、「身の回りにあるシステム(上手く言っている、可能性を秘めたシステム)」に私自身も思いを馳せながら、松原先生の講座の意図であったり、思いを理解できるよう、全体を俯瞰して見ていきながら、気づきを受講生の方にお伝えしていけたらと思います。

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https://hoiku-communication.com/ennaifacilitator-ikuseikouza/

園内ファシリテーター育成講座

参加者の感想を一部ご紹介いたします

ご感想①
システムはいろんなところにあることを認識しました。目の前に起こっていることの本質を見抜いていくことが必要だということや、いろんな出来事が起こることで、何が起こっているのか全体を見る目を持つことが大切だということ、それが日々現場で起こる事を読みといていくカギになることを学びました。一番に、実際現場で起こっていることを物語るような内容もあり、ギブアップしそうな状態であった私のメンタルを持ち上げてくれる講座となりました。

ご感想②
今日の内容は、今まで自分の園で起きてきたことや現在起きている事の中に潜んでいることは何かを考えることができたお話でした。出来事・時系列パターン・構造・メンタルモデルを関連付けて具体的に考えることはまだ難しいのですが、物事の考え方を少し知ることができたような気がしました。

 

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