コラム『後輩、新人の育成について』

こんにちは。
保育コミニュケーション協会 認定講師、保育ファシリテーター講師養成講座一期生の たまみ です。
毎日暑いですね。
気が付けば、夏も終わろうとしていますが、いかがお過ごしですか?
さて、今日は、「後輩、新人の育成について」一緒に考えて行きましょう。

私の新人時代のエピソード

私もかつては、新人でした。
それから中堅、パートとそれぞれの立ち位置を経て今に至ります。

育成する側の今になって、過去を思い出すと、あるエピソードを思い出します。
今日は、私のエピソードを紹介し、育成について一緒に考えていきましょう。

ある日、先輩が新人の私に、「今からこれを作るから画用紙を持ってきて」と言うので、
言われた通り、画用紙を持って来た時のことです。
そうすると先輩は、「画用紙だけ持ってきてもダメ。ガムテープ、ホッチキス、ボンドなど、
これを作る為に必要な物は、言われなくても全て持って来なきゃ。」と言うのです。

「頼まれた物だけ持って来るのは誰でも出来る。
今から作る物として必要な物が全てわからなきゃ。言われなくても気づいていかなきゃね。
あれもこれも必要かもしれないと気づくことは保育する上でも必要なことよ。
〇〇かもしれないという視点は保育する上では大事になるよ。
物事を表面的にみるのではなく、深く考えて行動をしないとね。」とのことでした。

私は、二度と同じことを言われないように、深く考えて行動しようと思いました。
保育者としても、社会人としても大事なポイントを教えてもらったエピソードでした。
この時から私は言われなくても気づくことにポイントを置いて動くようになりました。
今では、1言われて1するのは誰でもできる。
『1言われたら2も3も気づいて動くこと』
子どもを深く観ること 保育の視点 において役立ち、
「もしかしたら・・〇〇かもしれない」という考えは、
子どもの心の内側を感じとる時や、育ちの背景を見ていくこと
また危機管理意識にもつながり、後輩指導や育成においても役立っています。

現在、育成側に立っている私ですが、自分が経験してきたことを踏まえて、
育成していく上で心掛けておくとよいポイントがいくつかあるので紹介します。

育成側が心掛けたいポイント

育成は、継続しての指導になりますので、育成側も育成に疲れることなく
気負わずにかかわっていけるといいですね。

私が育成していく上で心がけていることは、以下の3つです。

1. 感情的にならずに話す
私自身、上司から感情的に言われ、モチベーションが下がってしまったことがあります。
そうすると、何を言われても全く頭に入らなくなり、
育成にとってマイナスになることがあります。
感情は一旦脇に置き、フラットな状態で伝えられるように心がけましょう。

2. 問題の表面だけを解決するのではなく、深い部分(内面)での気づきを促す
起きていることの表面的(場当たり的)な問題解決は
一見早く解決しますし、過ぎてしまえば終わりになりますが、
本人にとっての気付きにつながっていない場合、
同じことを繰り返してしまうことがあります。

何故この問題が起きたのか、どうしてこうなったのか、
根本的なところを一緒にしっかりと振り返ることが大切です。
振り返りからの学びを改善に導いていくことで
後輩は自分を振り返ることかでき、成長を支えていくことにつながります。

3、否定せず、頑張っていることを伝えた上で、今後につながる一歩を引き出す
もどかしく感じても、「今」の状態がその人なりの力を出している精一杯のラインかもしれません。
先ずは本人なりの努力に目を向け、頑張っている部分を伝えた上で指導するようにしています。
そして、今よりも一段上に上がる為にはどうしたらよいか?
気づきを促していくことで、自分の内側から意欲ややる気を引き出せるようになるのではないでしょうか。
そんな指導や育成をしていくことができたら、
育成する側もされる側も関係性がより深まり、保育が前に進んでいきます。

また、育成には、
社会人としての育成、保育者としての育成、自分の個性を輝かせるための育成
という両方の側面があるのではないでしょうか。
そのためには、保育者として毎日の大半の時間を過ごす場所が安全、安心で過ごしやすく、
個性が発揮できる場所になるように心がけていきたいですね。

ここまで、育成についてご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。

相手の心が動くかかわりを

今の頑張りを認めながら育成を積み重ねていくことで失敗しても立ち上がり、
周りの助けをかりながら乗り越えていけるようになるでしょう。
安心できる場所と、安心できる仲間がいることでやる気や意欲に繋がり、
自信になって素敵な保育士として育っていくのではないでしょうか。

新人や後輩が内側から意欲的に、そして保育に情熱を持って
自分の個性を出せるように育成していきたいですね。
そのためには、居心地のいい居場所=園内の空気感を心掛けるとと共に、
後輩の心にストンと落ちる言葉を掛け、失敗しても明日から頑張ろう!
と思う気持ちが持てるように話していくことを心掛けていきましょう。

失敗したとしても、結果から何が見えるかを育成側が観て、解るように伝えていくことが大事なのではないでしょうか。
育成側の思いが如何に相手の心を動かすことができるかどうかが、育成につながるポイントだと私は感じています。

育成を通じて育成者も磨かれる

育成側が、後輩から信頼され、心があたたかい人であれば、後輩が「素敵だな」と思い、
「この先生のようになりたいな。」と憧れや成長への意欲を抱くようになるでしょう。
ドキッとすることではありますが、後輩は先輩の在り方を見ています。
後輩に目指してもらえるような自分で在ることも大切です。

保育も、育成も、自分も、後輩も、全てにおいて
「園の中での自分の在り方」へとつながっていくのではないでしょうか。
自分の背中を後輩は見ており、その結果が育成した結果になってきます。

そう考えると、いかがでしょう。
あなたはどんな風に後輩に育って欲しいですか?
答えは育成側に在るのではないでしょか。

子どものことを一番に考えられるチームの一員に育って欲しい、と思うかもしれません。
自信をもってどんどん力を発揮できるようになってもらいたい、と思うかもしれません。

育成側が素敵な存在で、あたたかく信頼される自分で居れば、
その価値観が反映されていきます。
育成側が自分を磨くことで、自然と相手も磨かれています。
育成の相乗効果が起こってきます。

愛情をベースに保育者も子どもも自然と育ち、園が居心地のいい場所になり
保育者も子どもも輝いていく場所になるでしょう。

みんなで共に育ち合い、保育の現場が輝く場所になっていけばいいですね。

 

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