8月31日開催 コミュニケーション講座『対話を通して考える保育環境』『後輩育成・指導が成長につながるコミュニケーション』ご報告

2019年8月31日の保育コミュニケーション協会公開講座を開催いたしました。

第一部「対話を通して考える保育環境」

曽木書代先生より、

1.園紹介・保育実践紹介・陽だまりの保育改革の経緯
2.2-1環境の考え方(理論)
  2-2今ある玩具を考える
3.そのため必要な園内コミュニケーション
~といった流れでお話をしていただきました。

<以下、曽木先生のお話の中で松原が印象に残ったキーワードをシェアいたします>

「私はこう思う」を標準化する。
子どもの気持ち・・・私なら、どうしてほしいか?
理想どおりではない現実・・・埋めていくのが問題解決能力。

量子力学でも、イライラの波動は周囲に伝わると証明されている。
うれしい・楽しい波動も、同様に伝わる。

虫の目…この瞬間の心の動き、感動
鳥の目…客観性、理論。
~どちらも大事。バランスの問題。

人工物---
並べますか?つかみますか?どうやって移動させますか?

生き物と触れる機会は、感情にダイレクトに響く。

均質ではなく、奥行き。
どろ遊びの体験
光と影:あったかい、冷たい、つかめない、奥行き---
やり取りの中で、応答性を。

きゅうりの輪切りアートに子どもの感性を感じる

保護者に感動を伝えるコミュニケーション力

子ども…育ちたいことをやってみたいだけ。
注意しなくていい環境を、どう作るか?
登りたいと思っているその気持ちを大切に。
できるだけやらせてあげられる環境を。

「人形を見ると、かかわり方がわかる」に、ドキッ!
~ごっこ遊びで、してもらっていることが出る。
「丁寧にかかわろう」という意識の見直しに

いま、この子はどんなところが成長している?
⇒どこまで発達している?
~見極めながら、環境を整えていく工夫を。

☆おみやげワーク
園に置いてあるもの:その目的を、書き出してみましょう!
⇒園に持ち帰って、みんなでやってみると理由や背景が見えてくる

価値観が多様化している中で・・・
(1)コミュニケーション能力
アサーション能力:相手を思いやりながら、自分の意思を伝える力
難しいけれども、自分らしく生きること。

(2)違いを認める力
自分を認める、価値観の違いから、感情が揺れる
(etc行動派・理論派・目的派・調和派)
~物事や人を多面的に見る力

~といったお話が、とても印象的でした。

<参加者の声を一部ご紹介します>

保育者の心にスッと入って来やすい事例・言葉・表現でのお話をいただき、
ありがとうございました。

「対話を通して考える保育環境」について改めて考え直し、実態に即した内容で今後の課題を整理することが出来ました。

・何が大事か、それには具体的にどのようにしたらいいのかなど、実際の保育園の体験などを踏まえて話していただけて、とても分かりやすく、自分の保育を見直す機会となりました。

・人は7割は忘れてしまうといいますが、この研修がそれに当てはまることのないようポイントだけでも忘れず、保育の中で生かしていきたいです。

・良い環境を作る上で、コミュニケーションをとることはとても大切だと共感しました。先輩や園長先生・子どもたちとのコミュニケーションを大切にしていきたいと思います。園でも共有し、より良い園となるよう努めていきたいです。

・コミュニケーションを多くとっていくことの大切さによってより良い環境を作っていくんだとあらためて感じました。

・子どもたちが自分で作りたいアクセサリーや洋服を作っていること・そこから次の活動へ自然に発展していることがとても印象に残り、自分も子どもたちにそんな風に日々の遊び・活動を楽しんでもらいたいと思いました。

・子どもたちが話し合うスペースがあるのを見て、大人も子どもも、クールダウンさせる空間があるのはやはり大切なんだと思い、自分の園にもあのような空間を作りたいと思いました。

・曽木先生のとても素敵な実践と、さまざまな学びを通して成長し続けている姿、
輝いていました!

第二部「後輩育成が成長につながるコミュニケーション」

第二部は、後輩育成がテーマ。

今回の文脈の中で、気になっていることについて尋ねるとーーー

「心配なことがあり、後輩に尋ねても、
やっていますというわりにできていなかったり・・・。」
「突然逆切れしたりして、どう扱っていいのかわからない」
「自分がずっと新人だったので、間が空いて、今の人にどう接したら?」
~といった声があり、お互いに前のめりになりうなづき合うみなさん。

これらの声を踏まえて、当日は以下のような流れで
日頃の育成のかかわりについて一緒に考えて行きました。

1.職員育成の4つのアプローチ
【模倣】【ティーチング】【コーチング】【対話】
Q.これまでに体験してきた“育成”とは?
Q.あなたの園の理想の状態とは?

2.相手が受け取りやすい伝え方
・角を立てず、尊重する声掛け・お願いの仕方
・相手にとって意味があること~自分にとっての当り前を掘り下げてみる

3.気付きを引き出すかかわり方
コーチングとは ~ デモセッション
【認知】・【問い掛け】・【反映】・【観察/フィードバック】
二人ペアにて、ここまでの学び・気づきのふりかえりと
コーチ役へ、良かったこと・リクエストを伝える
育成者自身の心の対話~セルフコーチングの時間を大切に!

4.成長を一緒に喜び合う関係性へ
どちらが教える、ではなくお互いに学び合う、
共に成長していくための育成は″機会”。

育成の体験を、次なるステージの布石に!

~ということで、
「見て盗め」世代の私たちの「育成体験」を振り返りつつ、
どんな工夫ができるのかをワークを通して見つけていく時間となりました。

<参加者の声を一部ご紹介します>

・模倣から始めた育成だったが、4つのアプローチを知れたこと・自分の考え方のクセを知ることが出来た。考えることの多い実りある研修でした。

・理想に向けてどうしていったらいいかを考えることが出来、育成には後輩だけでなく先輩・第三者の力が必要と聞き、周囲を頼っても良いと思えた。

・理想の状態~現状~プロセスを考えたことにより自ら気が付けたことはとてもよかったです。

・新人の言葉人出来ない表現に、どうアプローチしたらよいか?と具体的に教えてもらってよかったです。

・相手に教えなくてはならないという思いが強かったが、こちらの思いを伝えながらも、相手の思いを引き出していき、一緒に成長していきたいと思いました。見て学べではなく、コミュニケーションを図っていきたいと思いました。言葉の伝え合いを大切にしたいと思います。

・これからの中で上手く伝え方を工夫しながらコミュニケーションを取っていきたいと思いました。

ご参加・応援してくださったみなさま、どうもありがとうございました!

次回、保育コミュニケーション協会 公開講座のテーマは「保護者とのかかわり」です。
詳細はこちらのページをご覧ください。

コメントを残す