子どもの人生を支える愛着関係のために【リリー相談会】2024年4月レポート

「この子、どうしてこういう行動をするのだろう?」
「背景に、何があるんだろう?」

私は児童養護施設の職員をしていた当時、子どもたちのさまざまな姿に課題を感じました。それから早いもので20年が経ちましたが、愛着関係、親子関係、家族心理学、恋愛関係など、人と愛情、関係性が及ぼす影響と、今できることにアンテナを張り、学び続けています。

今回はその「愛着関係」の重要性を改めて感じるプレゼンターからのお話でした。
保育コミニュケーション協会、オンラインサロンリリーの相談会を開催いたしました。

リリーは、普段園内でリーダー・主任・園長先生としてたくさんの人に心配り気配りをしながら活躍されてる皆さんが、
なかなか自園では相談しづらいことや葛藤、板挟みの悩みなどを園を超えたコミュニティーの中で分かち合い、それぞれの気づきを持ち帰る場です。

  1. メンバーそれぞれのチェックイン(一言)
  2. 松原より、最近のご相談や研修で感じていること・大切なことのシェア
  3. ブレイクアウトルームにて、
    それぞれの園内で感じていることのシェア・相談
  4. 毎月のプレゼンターより、
     感じていること・議題の提案
  5. クロージング

~という形で進めております。

<今月の話題で印象に残ることを、いくつかシェアします>

  • 男性保育士の父性としての大切さを園内で再認識することの重要性。
  • 愚痴に飲み込まれ悪循環に陥るのではなく、同じ方向向いていくために課題を見つけて整理をしていくことの大切さ。
    そのためには内容以上に、人の感情にフォーカスをして受け止めていくことの重要性。
  • どこまでを止めておけばいいのという気持ちと、自分だけで抱え切れない課題との狭間で生まれる葛藤。
  • ついつい、何とか解決してあげたいという気持ちが溢れてしまい、感情が置き去りになってしまうことありますよね…。

やっぱり話をするって大事ですね。
年度の初めはみんなストレスフルな状況にあるのではないでしょうか。
そんな中で、感じているざわざわした思いに言葉を与えることで
「あー私はこう感じていたんだ。」
「こういう風になっていきたいんだ」
と気がつくことができ、自分自身を取り戻していくプロセスを辿っているように見えました。

さて後半、今回のプレゼンターである先生からは、近年の児童養護施設の入所状況や特性をお話しいただいた後、共通としていえる愛着形成の大切さについてお話をしてもらいました。

虐待が入所の60~70%を占めているということ。
虐待の影響によって脳が萎縮することで感情の機能が低下し、後天的な影響が様々出てくるのだということ。
中には、ADHDだったり、大人への不信感だったり、分離体験、反応性、愛着障害、愛着、行動なども見られること。
そこから今回のテーマとなる、人間の基礎を作っていく乳幼児期に、どのような愛着関係を形成していけると良いのか……
そのために私たちができる事はどんなことなのか、ということをブレイクアウトルームでお話ししました。

寄り添い受け止めてくれる大人がいることは、心の拠り所となります。居場所があるという安心感があり、受け止めてくれる人がいるだけで自分を立て直すことができます。また、体験を味わうことができるのではないかと受け止めることの重要性もあります。
もし受け止めてくれる人がいないと、その後のモヤっとした思いや葛藤、怒りに憤りを抱え続けて生きることになり、エネルギーを消耗してしまいます。できれば、それを手放して、その人の人生を歩んでもらいたいと思います。そのためには様々な思いや感情を葛藤を受け止めることの重要性があります。
つまり、命そのものを受け止める覚悟とも言えるのではないでしょうか。

預かって向き合い、育んでいく覚悟が、プロとしての保育者や養護に関わる人に求められる専門性なのではないか…というお話に、私たちのお役目の大きさと重要性を痛感し、心が動く時間となりました。
これは、子どもだけではなく、大人にもいえることなのではないでしょうか。

さまざまな葛藤や感情を受け止めてもらえる体験によって、自分の居場所を確認することができたり、自分に気が付くきっかけとなり、自己受容につながっていくという側面があるのかもしれません。
子どもとともに大人も、お互いの愛着関係を育み合うことができる、豊かな関係性を作っていきたいですね。


保育コミュニケーション協会 オンラインサロンリリー相談会では、

  1. メンバーより自己紹介&一言リレー
  2. 松原より最近野研修などで感じている現場のサインを共有
  3. それぞれが気になっていることをシェアタイム
  4. プレゼンターからの相談or問題提起
    メンバーが自分ごととして考え、提案をする

~といった流れで、構成されております。
園を越えたクローズドな相談の場に、どうぞお役立てください。

オンラインサロンリリー相談会

▼オンラインサロンの雰囲気を知っていただく機会:クローバーカフェはこちらから
 https://hoiku-communication.com/nyuukaiannai/info_clovercafe/

参加者の感想を一部ご紹介します

愛着とはというところで新年度、基本的な、そしてとても大切なお話を聞かせていただきました。田塚先生や他の先生方からのお話を心の中心に置きながら子ども達と向き合っていきたいと思います。 また田塚先生のお話を聞きながら私たちにできることはなんだろうと思っているところで松原先生から、児童養護の保護者はヘルプを出せる人がいない人と聞いて、改めて子ども達だけでなく保護者にも目を向けて保護者の辛いこと、大変なこと、悩んでいることに気づいたり、話しやすい、吐き出しやすい保育者でありたいと思いました。
リリー会には初めて参加しましたが、あたたかく受け入れてくださって嬉しかったです。

 

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