パワハラにならない指導のために~コーチングのコミュニケーションで本人の気付きに焦点を
中堅・リーダー・主任・園長として保育を進めていく中で
後輩や職員さんの行動が気になる場面はありませんか?
「どうして○○しないんだろう?」
「その言葉遣いはちょっと…気になるな。」
「ホウレンソウ、してくれないと
どこまで進められているのか分からなくて
心配なんだけれど・・・。」
「締め切りが間に合わないなら…
困っているってヘルプを出してほしいのに」
~さまざまな思いはあれど、
もどかしい感情と一緒に思いをぶつけてしまうと
「言われちゃった」とへこんでしまったり、落ち込んで来なくなってしまったり・・・。
「大丈夫?」と声を掛けると「大丈夫です」と返事が来るので
それ以上、どうかかわったらいいのか
考えあぐねている人もいるのではないでしょうか。
立ち止まって、考えてはみるものの
では、どうすればいいのかーーー
考えてみても、どれが正解なのか、分からない。
「もしかして、パワハラになってしまっているのでは…?」
~そう思うと、不安になってしまうこともあるかもしれません。
そんな時は、コーチングのスキルで
本人の気付きに焦点を当てるコミュニケーションを
意識してみてはいかがでしょうか?
コーチングとは
「相手の中に答えがある」ことを大前提に
さまざまなアプローチで気付きを引き出していくコミュニケーションです。
保育コミュニケーション協会代表の松原美里は
米国認定コーアクティブコーチ(CPCC)であり、
たくさんのスキルがあるコーチングの中で、
日常で役立つコーチングスキルとして、
①認知
②問い掛け
③反映
④観察・フィードバック
~の4つのスキルをオススメしています。
認知のアプローチ
まずは、その方の取り組んでいる姿勢や
うまくいっているところ・素敵なところ・感謝していることなどを
言葉で伝えましょう。
自分では気が付いていないかもしれないところに着目し、
言葉で伝えてくれることで
「見ていてくれているんだ」
「嬉しい」
「当たり前のことだけど、認めてもらえた」
~と嬉しい気持ちになり、
気持ちのセットアップが前向きになります。
問い掛けのアプローチ
心配なこと・気になることがある場合、
いきなり指摘をされると、
相手も驚くこともあるのではないでしょうか。
そんなときは、
「○○はどうですか?」
~と、本人に見えている景色を確認してみることをおススメします。
この質問で、本人の手ごたえや認識を
垣間見ることができるかもしれません。
相手から、「○○です」と返事が返ってきたら…
それに対して、自分の意見を言うのではなく、
反映を心掛けましょう。
反映のアプローチ
相手から「○○です」と返ってきたら、
「○○なんですね。」
…と、相手のお返事を繰り返しましょう。
相手が自分の言葉を反映する(繰り返す)ことで
「そうなんです。」
と自分の内面を再確認するように、確信が深まります。
その時に、今後は 相手の表情を観察することを心がけましょう。
観察・フィードバックのアプローチ
たとえば、不安そうな表情に見えたら
「不安そうに見えますね。」
と、見えた様子を言葉で相手に伝え返しましょう。
表情には内面が映し出されますが、
人は自分の表情をリアルタイムで把握することは、なかなかできないもの。
他者から伝えてもらって初めて、
「自分はこんな表情をしていたのか…。
それって…?よくよく考えてみると こんな理由があるのかも。
じつはーーー」
~と、自分の内面に耳を傾け、
心の内を言葉にするきっかけにもなり得ます。
心の内側に耳を傾ける…なんて、まどろっこしいでしょうか?
とはいえ、人は 心のハードルが下がり
「この人の話なら、聞きたい」となって初めて
こちらの指導や提案に、耳を傾けてくれるのです。
アドバイスは、相手の耳が開いてから
困っていることは、人それぞれ。
あなたにとっては「○○をした方がいい」と感じることであっても
本人は、そのもっと手前で悩んでいたり、苦しんでいることもあります。
そんな時に、本当の課題と向き合い、乗り越えていくサポートこそが
本当の意味での指導や成長支援にあたるのではないでしょうか。
あなたの現場に置き換えて、チャレンジをしてみてくださいね。
こういったコーチングのアプローチを、
★保育コーチング入門講座では実際に
デモンストレーションにてご紹介させていただきます。
職員間の成長支援につながるコミュニケーションスキルをぜひ、お役立てください。
★3月より、保育コーチングベーシック(5回講座)にて
じっくりとコーチングが「できるようになる」実践練習の場を予定しております。
関心がある方は、気軽に事務局までお知らせください。
詳細をお伝えいたします。
今回のかかわりは一例です。
もしも、「こんな事例はどうしますか?」というエピソードがありましたら、
保育コミュニケーション協会事務局までお知らせください。
投稿にて、ご返答をさせていただきますね。