絵本が引き出す子どもの気持ちとは【オンラインサロンローズ定例会】2022年11月開催レポート

保育コミュニケーション協会 オンラインサロン11月のローズ定例会を終了いたしました!
今月のテーマは、順子先生による
「絵本が引き出す子どもの気持ちー保育の仕掛け〜エピソードをシェアしませんか」でした。


順子先生がご紹介下さった絵本一つ一つがとっても素敵だったというのはもちろんなのですが、ご自身が人生の中で体験・学びを通して身につけてきた視点が、絵本を通して子どもの存在を理解・受容しようとする入り口になっているというのが感動的。
対話をしながら絵本を読み、その後子どもたちに絵を描いてもらうと、絵本に呼び起こされるように、癒やされるように顕れる子どもたちのサインがある―――というのも、印象的でした。

カラーモンスターを読んだ後、絵を描いてもらったところ、療育に行っている子がたくさんの気持ちを書いてくれた…というエピソードも、なんだかじーんとしました。
気持ちを瓶に分ける。
きっと、いろんな気持ちがあるんですよね。
言葉に出来ないだけで、たくさんのことを感じて葛藤しているのでしょうね。
年長さんの言葉が悪くなってきた、など人を傷つけるような言葉が多く見られたとき…
「ちくちくことばとふわふわことば」
「しあわせのバケツ」を読まれたというのも、ピンポイントでとっても素敵。

改めて…保育者の感性は、子どもたちへのギフトですね。
それが響き合い、さらに感性が開かれていく。
保育者って存在自体が子どもの感性を磨いていく人的環境なんですね。
順子先生、素敵な時間を有り難うございました!

以下、印象に残った言葉をシェア

  • 大人が教えきれないことを、絵本が教えてくれる。
  • 絵本はなくならない。
  • 保育者は、日本が誇るスペシャリスト♪
  • 当たり前を取っ払うことの大切さ
  • 私たちは直感で生きている
  • たった一冊の絵本で、まだまだやれることがある
  • ローズ定例会は、打ち合わせ通りには行かない~予想もつかない開花を魅せる

▼そんな魅力的な仲間が集まる場、
 保育コミュニケーション協会【オンラインサロン】

 
楽しみながらインスパイアされ、磨き合いましょう~。

オンラインサロン新展開の現状と、ご案内~ローズ・リリー・カトレア・プレミアム・法人…

まさこさんよりまとめ

11月23日 ローズ定例会

今回は長谷川順子先生の企画、様々な保育の場面で活躍してくれる絵本のお話でした。

順子先生の絵本を活用した子どもとの関わりや、絵本を媒体として子どもの意外な一面を引き出すことができた数々のご経験からお話をいただきました。

年長児の入学準備が始まる時期には、机上での取り組み(算数やひらがなの練習など)の時間を取り入れていくのですが、小学校入学のための準備内容として良かれと思ってやっていることが実は子どもたちの負担になっていることもあるようです。

日々変わらないように見えても実は子どもたちはとても複雑な心境を抱えていたりします。

今まで当たり前に生活してきた保育園から環境がガラリと変わることへの不安というものが、落ち着かない態度やトラブルとなって表れてしまう。

そんな時に心の拠り所、助け舟となるのが絵本なのだそうです。

絵を見て味わい、そこから出てくる言葉を感じることで、子どもたちの期待と不安に寄り添うことができ、本音や意外な言葉を耳にすることができるそうです。

例として挙がった絵本

  • どんなきもち?
  • カラーモンスター
  • ちくちくとふわふわ
  • しあわせのバケツ

絵を見て「気持ち」を形容する(しあわせ、びっくり、うきうき、むしゃくしゃ)ことで、素直に自分の気持ちに照らし合わせて言葉で表現するようになっていくのだそうです。

また、付箋を使いながら言葉の印象を色分けしてみたり、絵本を読んだ後で好きな絵を描いてみたりすることで、自分の本当の思いに気づくことができるようになり、なかなか言いたいことが言えなかった子も思いや悩みを打ち明ける姿につながっていきます。

子どもたちが自分の力に気づき、どんどん自己発揮していく。「与えられたことをやる」から「自ら表現する」に変化していく

考えてみればこれは大人にも必要なこと。むしろ大人の方が絵本の力を必要としているのかもしれません。

絵本というツールを利用して、バリエーションあふれる保育が生まれる。切り口はどうであれ、最前線にいる保育士が絵本を介して子どもと一緒に織りなす保育の素晴らしさ。これはほかの職業にはない醍醐味かもしれません。

絵本は年齢に関係なく読まれるもの。この紙の媒体はどんなに時代が移り変わっても決して無くならないものであると確信できます。

大人が教えきれないものを絵本が教えてくれる。これからますます保育を豊かに彩ることができる可能性を感じさせられた時間でした。

順子先生、ありがとうございました。

参加者の感想を一部ご紹介します

ご感想①
子どもの頃、大好きだった絵本というものを大人になって読む立場になった今、絵本の深さを感じました。 「きもち」をテーマにした絵本として紹介してくださった「どんなきもち」「カラーモンスター」は複雑な描き方ではなくシンプルな描き方だからこそ、子どもたちにも伝わりやすいのかなと思いました。大人でも伝えることが難しい「きもち」について、子どもたちと一緒に考えていけたら良いなと感じました。 また気持ちについてだけでなく、伝え方が分からないことも絵本を通して視覚的に伝えるなど活用方法も学ぶ機会となりました。

ご感想②
素敵な絵本に出会うことができ、又絵本を通して皆さまと語り合うことで今の自分を承認してもらえたことがうれしかったです。

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