食への意欲を育む給食現場の「声掛け」コミュニケーション

子どもの食への意欲を真ん中に、好循環が生まれる給食現場

子どもと一緒に給食を食べたり、
「食」にまつわるお話・食育の取り組みを通して
子どもたちの生きる源となる「食」への意欲を育む、給食現場。


子どもたちは給食の先生たちが丁寧に食を形にしていく様子に
家ではなかなか見ることが出来なくなってきている
調理過程について興味深く知る機会になります。


また、家庭で過ごしていると偏ってしまうこともある食事の傾向を
保育園給食という機会を通して
さまざまなバリエーション・調理方法・食材・各地の食など
多様な食に触れることで視野が広がる体験にもなります。

日々、保育現場と子どもの食事風景を分かち合い
「〇〇ちゃんが美味しいって何度もお替りしていたんですよ」
「え、ピーマン苦手なのに食べていたんですか?」
「そうなんです。いつもと違う形態で出てきたからでしょうか。」
「わ~、工夫してよかった。また出しますね!」
~とお互いに子どもの成長や工夫を喜び合うコミュニケーションを図ることで
保育現場は子どもと共に食への意欲を深めるアイディアが生まれ、
給食現場は食のプロとしてのやりがいを感じ、
子どもたちとのコミュニケーションを楽しみながらさらなる工夫に勤しむ
好循環のコミュニケーションがあると、連携が好循環につながっていきます。

コミュニケーションが行き詰る傾向もある、給食現場

一方で、栄養士・調理師・パート職員・・・それぞれの得意不得意・
調理の勘所など、仕事の進め方に思うように連携が図れず
チームワークがうまく行かないことで
「あの人とは一緒に働けません」と人間関係を理由に現場を離れてしまう人、
良かれと思っての指導がきつく受け止められ給食現場という限られた空間の中
人間関係に行き詰まり、職場を後にしてしまう人もちらほらいます。
新しい人が入ってくることで、新しいチームワークが完成し、
やり方のめどが立つことで
スムーズに物事が進むこともありますが、そうでない場合には
給食職員全員が人間関係で辞めてしまうーーーといった事態に陥る園もあります。

食を通した子どもたちへのねがいを語り合おう

大人同士が向き合うとお互いのこだわりや個性がぶつかり合い、
殺伐とした関係性になることもありますが、
保育の現場には、魅力的なキーワードとなる存在がいます。
それは、「子どもたち。」
私たちは、子どもを真ん中に園全体がチームとなって
「子どもの未来のための、食」にかかわるお仕事をしているのです。

大切なのは、
「給食の仕事を通しての子どもたちへの願い」
について、調理さん同士・保育者と語り合うこと。
給食室での情報共有の場面で、アイスブレイクとしてまずはお互いに興味を向け、
お互いを知り合い、受け入れ合う土台作りから始めて行ってみて下さい。

保育と給食室との連携

近年はアレルギーの子どもも増えてきて
給食室と現場とでアレルギーに関するヒヤリハットや事故報告で
現場がピリピリしてしまうこともあるのではないでしょうか。

ですが、ピリピリムードはかえって次のヒヤリハットを生むことがあります。
お互いの余裕がなくなり、視野が狭くなることで、
連携や声掛けが難しくなるといった側面があるためです。

アレルギーヒヤリハットの際はぜひ、人を責めるのではなく
「何が起こっていたのか?」
~と、根本原因を探ることに双方の焦点を当ててみて下さい。
その上で、
「どうなるのが理想なのか?」
「どんな改善方法がありそうか?」
~といったことを、保育・給食の双方で一緒になりアイディアを出し合うのです。
実際にやってみて、うまく行ったら一緒に喜び合う機会を増やし
保育と求職のチームワークを高めて行ってください。
その積み重ねが信頼感となり、その後のアイディアや提案といった
好循環の入り口になります。

何かがあったときはもちろんですが、日常の中でも
毎月給食会議などの場の中で喫食状況の報告にとどまらず
「現場の思い」「給食にかかわる中でのねがい」について、
一歩踏み込んでお話をし、食に関する語り合いの場を重ねて行くのがおすすめです。

業者さんへの委託給食も、声の掛け合いを大切に

園とはまた別の給食システムが確立されて
保育現場とはコミュニケーションが取りにくくなった・・・
という声もちらほら耳にします。

じつは、松原のかつての園もそうでした。
ですが、給食システムを運営しているのは「人」です。
そこにかかわる営業さん・業者の調理さん・運んできてくれる方に
子どもたちの状況や、喜んでいた表情・日頃の感謝を伝え
率直に相談などもしてみましょう。

「決まった契約だから」というのは当然ですが、
 日々の中でいい関係を築いていく中で
「できればお野菜を増やしていただけると嬉しいのですが・・・
 料金、上がってしまいますでしょうか?」
「う~ん、野菜は単価が高くなるんですよね・・・。
 仕入れ先に相談してみましょうか?
う~ん、社内でもちょっと検討してみますね。」

~と相談に乗ってくれるケースもあれば、
「こういった状況で困っております。
お知恵を貸していただけませんか?」

「何かいいアイディアがあれば嬉しいです」
~と、相談を持ち掛けると 
「あれから考えてみたんですが、〇〇という形はいかがでしょうか?」
~と、その方の立場の中でアイディアや心配りをして下さることもあります。

たとえ、具体的には策はなくとも、お互いに声を掛け合える関係性になることで
給食に関するストレスが少なくなり、心強い理解者が増えていきます。

日々の中で、心の通うコミュニケーションを心掛けていきたいですね。

6月29日(土曜)に神田で開催予定のコミュニケーション講座の第一部では
「保育・給食・看護が手をつなぐコミュニケーション」と題して以下の内容で講座を行う予定です。

6月29日 講座案内詳細はコチラから

1.他業種の方と力を合わせて進めていく保育

2.共通のゴール:理想の状態とは

3.業種を超えたチームの概念

4.視点を生かし合うコミュニケーション

5.語り合いから紡ぐ未来

皆さまの保育に是非役立ちますように。